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目標に向かう道は、いくつあってもいい

― 2008年の北京オリンピックでは4位という結果に終わりましたが、前回メダルを獲得した経験は活かされましたか?

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北京では「こうしたらうまくいくだろう」と思っていたことで失敗しました。アテネのときはキャプテンとして「目指す方向を決めて、伝えること」を大切にし、それが功を奏しましたが、北京では裏目に出てしまいました。若い世代とのコミュニケーションがうまくいかず、一方的な押しつけのようになっていたのだろうと思います。

― チームの状況が変われば、組織としてまとめる方法も変わるということですね。

リーダーとしてこうすれば大丈夫、という王道はないと思っています。二度のオリンピックを経験して学びました。何がベストな方法かというのは、その時の組織や周辺の状況を踏まえて考える必要があります。メンバーみんなが輪の内側を向いていて、リーダーの意見が通りやすいチームであれば、目標達成のために何が必要か分析することが成功への近道です。でも、輪の外を向いているメンバーがいる場合は、まず、チームがどうなるのがベストな状態なのか、そのために何をしていくのか考えることが最も重要です。

― リーダーは目標を明確にし、その目標を達成するためのいろいろなプロセスやアプローチを多く持つことが重要ですね。

「本当に相手のためを思っているなら伝わるものだ、そこは、今も昔もそれほど変わらないのだ」と感じました。十人十色で考え方や性格がみんな違いますから、相手のタイプや状況をよく見て、どうしたら分かってもらえるかを考えることも大事です。昔は一つのやり方にこだわって少しでも外れるとイライラしていたのですが、同じ目標に向かうにも、いろいろな道があっていいんだと思うようになりました。リーダーとしては、その時のチームに適した形を整え、臨機応変にまとめることが、良いチームを作ることにつながるのだと思います。

― 個々の力も重要ですが、やはり野球でも、ビジネスの場でも、「チームで戦う」という意識が大切ですね。ありがとうございました。

取材後記

宮本さんは自身を「地味なプレーヤーで脇役」と評する。だが、43歳まで19年間現役生活を送り、二度のオリンピックでのチームリーダー、プロ野球選手会長といった大役を果たすまでになったのは、努力を怠らず、何ができるかを常に考え、客観的に自分を見つめるという“地味”な姿勢があったからに他ならない。ビジネスにおいてもまったく同様、日々の業務に常に誠実に向き合うことが、実績につながる、と教えていただいた。

プロフィール

宮本慎也(みやもと・しんや)
PL学園高校、同志社大学、プリンスホテルを経て、1995年東京ヤクルトスワローズに入団。ベストナイン表彰、ゴールデングラブ賞など野手として高い技術を誇る。また2012年には2000本安打達成。一方、2004年アテネオリンピック、2008年北京オリンピックでは、それぞれ日本代表のキャプテンを務める。2013年8月26日に現役引退を表明。

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