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明日につながる基礎知識

第1回 知っているようで知らないこのワード 「ノマドワーカー」 NOMAD WORKER画像 イラスト

特定の職場やデスクを持たず、遊牧民(英語で「nomad」)のように、自由に場所を移動して仕事をする人々を指して、「ノマドワーカー」と呼ぶ。英語では「digital nomad」「MOBO(mobile bohemian)」などと称されることもある。本来、カフェやファストフード店、公共施設など場所を移動しつつ、モバイルで仕事をするビジネスマンたちを指すが、現在は新しいワークスタイル、ライフスタイルとして「ノマド」の概念が広がり始めている。

日本のICT社会で「ノマドワーカー」という言葉が使われるようになったのは『仕事するのにオフィスはいらない』(光文社新書:佐々木俊尚著)が刊行された2009年夏頃から。フランスの経済学者・作家ジャック・アタリの『21世紀の歴史――未来の人類から見た世界』でも「ハイパーノマド」として紹介され、ブログなどで数多く引用されたが、「ノマド」という言葉自体は、それまで日本では1990年に発売されたスズキのSUV「エスクード」の車名、北アフリカの遊牧民の音楽「ノマドブルース」、あるいはクラシック音楽好きの間で「アンサンブル・ノマド」などで、耳にする程度だった。
「ノマドワーカー」は、「オフィスのない会社」「働く場所を自由に選択する会社員」といったワークスタイルを「ノマドワーキング」として実践している社会人。無線LANやWi-Fi、クラウドなどICT環境が整い、スマートフォン、タブレット端末などが普及したことで、急速に注目が集まった。時間や場所にしばられない働き方として、組織に属さないフリーランスのためのワークスタイルだと思われていたが、近年では「フリーアドレス」と呼ばれ、社員が自分の机を持たない会社、「コワーキングスペース」と呼ばれる共同体的に使用される仕事場も生まれつつある。必ずしもフリーランスに限らず、ひとつの企業体のグローバルオフィスとして、ノマドワーキングの形態を取る職場も生まれつつある。
また世界中の好きな場所に住み、自由に働くという「ノマドライフ」を提唱する書籍やセミナーも、震災以降人気を集めている。

今月の「ノマドワーカー」なアーカイブス
画像 ティナリウェン『タッシリ』

ティナリウェン
『タッシリ』
(WDR-828 税込み2,940円)

「ティナリウェン」

2011年のフジロックフェスティバルにも出演したアフリカのマリ共和国を拠点とする砂漠の遊牧民、トゥアレグ族のバンド。フランス語とトゥアレグ語の歌詞で「ノマドブルース」「砂漠のブルース」と称されるサウンドはブライアン・イーノ、ロバート・プラント、トム・ヨークなど、ロックシーンからのファンも多い。

取材編集/バーズネスト
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