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明日につながる基礎知識

第5回 知っているようで知らないこのワード 「ゲーミフィケーション」 、げーみふぃけーしょん Gamification画像 イラスト

いまや死語というか、オヤジワードの代名詞の「飲みにケーション」が世に登場したのは1980年代のこと。関西ローカルで放映されていた居酒屋チェーン、やぐら茶屋のTVCMの「Let's飲みにケーション」というキャッチコピーが、サラリーマンの琴線に触れた。「飲み会」という行為は以前からあったものの、一緒に飲むことでコミュケーションを図るという言葉の分かりやすさから、すぐさま全国に伝播した。
昨年あたりから急速にWeb業界で使用され始めた「ゲーミフィケーション」という言葉とダブるところがある。考え方としては以前からあったものの、言葉が誕生したのは2010年頃。理論として確立され頻繁にメディアに登場するようになったのは、サンフランシスコでゲーミフィケーションサミットが開催された2011年1月以降のことだ。

「ゲーミフィケーション」を直訳すれば「ゲーム化戦略」。ゲームの要素や考え方をゲーム以外の分野で、顧客とのコミュニケーションに応用していこうという取り組みで、Webマーケティング用語として広まった。分かりやすい例としては飛行機のマイレージポイントやフォースクエア、ナイキプラスなどが挙げられる。単なるポイントシステムではなく、ポイントを得ることで自分のステータスがアップするゲーム的な要素が重要視されるのだ。さらにこれにソーシャルネットワーク・サービスを連携させて、顧客との関係性を高める目的を持つ。
ゲームの方法論をさまざまな分野に応用するという考え方は、立命館大のサイトウ・アキヒロ教授が「ゲームニクス理論」として2007年より提唱しているが、これはゲーム機のユーザインターフェースを活用して体系化したもの。「ゲーミフィケーション」は、ユーザー心理を顧客心理に結びつけてマーケティング理論としてそのノウハウを体系化している点で、「ゲームニクス」と異なる視点ながら、TVゲームで育った世代にとって「ゲーム性」が、単に物を安く買ったり、高く売ったりという経済活動だけではなく、いかに困っている人を助けるか、第三者と協力するかなど、社会活動や行動規範にまで影響を及ぼしていることが気になるワード。

今月の「ゲーミフィケーション」なアーカイブス
画像 『幸せな未来は「ゲーム」が創る』

『幸せな未来は
「ゲーム」が創る』

ジェイン・マクゴニガル(著), 妹尾 堅一郎(監修)/早川書房

『幸せな未来は「ゲーム」が創る』

ゲーミフィケーションを実践する世界的なゲームデザイナーの著作。社会が直面するさまざまな世界的な危機の問題を、ゲーム上で世界中のユーザーと解決策をシュミレーションするARG(Alternative Reality Game:代替現実ゲーム)「EVOKE」の作者。

取材編集/バーズネスト
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