
インターネットやメーリングリストなどを通じて不特定多数の人々に呼び掛け、見知らぬ人々が集まり、その群衆(モブ:MOB)が駅や公園など街中の公共の場で、ダンスなどあらかじめ決められた行動を取ること。原則としてその行動をその場で共有するだけで、互いは見知らぬまま解散する。
フラッシュモブは、原則的にデモや抗議集会などのように、政治的な意図を含まず、即興性、ハプニング性が重視される。インターネット掲示板などネット内だけで交流していた仲間が、リアルな社会で顔合わせする「オフ会」と同様に語られるケースもあるが、基本的にネット内のコミュニティに限られているわけではなく、意味性を持たない行動が、広く支持される要因となった。
よく知られているのは、マイケル・ジャクソンの「ビートイット」の振り付けを数百人が一斉に行うというもの。Youtubeなど動画サイトへの一般投稿でブームとなった。当初は欧米を中心に広まり、日本でも行われるケースも多いが、多くの場合互いに見知らぬ群衆というわけではなく、既成集団が中心となって行い、近年はマーケティングプロモーション的な手法として利用されることも多い。


『フラッシュモブズ ―儀礼と運動の交わるところ』(伊藤昌亮著、エヌ・ティ・ティ出版)
『フラッシュモブズ
―儀礼と運動の交わるところ』
(伊藤昌亮著、エヌ・ティ・ティ出版)
日本の2ちゃんねるオフから中東のフェイスブック・デモまで、世界中で繰り広げられる人間行動をフラッシュモブズとして時代を探る、新しい群衆論。
