COMZINE BACK NUMBER

明日につながる基礎知識

第15回 知っているようで知らないこのワード 「タグ付け」 たぐづけ画像 イラスト

「昨日飲み会で、『撮った写真をタグ付けしていいですか?』って聞かれたんだけど何のこと?」「タグ付けって、フェイスブックに? おいおい奥さんに内緒の合コンじゃないだろうね?公開されて構わない写真なのかい?」

どんなサービスでも、利用者が増えるに従って利用上の問題も増える。フェイスブックの場合、投稿される写真の「タグ付け」という機能が、「シェア(共有)」という概念とともにSNS上でのプライバシーを考えるきっかけとなった。冒頭の会話は、自分の写った写真が、たとえ友人同士など限定的な範囲であっても、インターネットで公開されてしまうことで、ネット社会以外で思わぬトラブルに発展するケースもあることを言っている。

タグとは「TAG」。商品に付いている値札、荷物に付いている荷札と同様、「標識、目印」を意味し、フェイスブックの場合、写真や近況アップデートに自分や友達の名前、ニックネームなどを「タグ付け」することができる。人物をタグ付けした投稿は、投稿者だけでなくタグ付けされた人のタイムラインにも掲載される。みんなに広く公開したい内容であれば便利だが、あまり知られたくない情報がタグ付けされると、ちょっと困ったことになる。自分のタイムラインで自動的に公開されるのを防ぐためには、「プライバシー設定」で、タグ付けされた投稿の公開範囲を制限したり、承認制にしておくと安心だ。

本来、インターネットのシステムにおけるタグとは、人間が読むテキストではなく、コンピュータが解読するために付加情報を埋め込む特殊な文字列のこと。これがSNSにおいては検索しやすくするために、ホームページや動画ファイル、画像ファイルなどに登録しておく、関連キーワードの意味となった。個人にタグ付けするのはSNSらしい、おもしろいアイデアとも言えるが、プライバシーの漏えいには十分な注意が必要だ。

今月の「タグ付け」なアーカイブス
画像 「ビル・カニンガム&ニューヨーク」
「ビル・カニンガム
&ニューヨーク」

いまやファッションのサイトに欠かせないストリートスナップは、そのコーディネートにブランドや買ったお店などを「タグ付け」するのが人気。インターネットのない時代から、ニューヨークの街角で50年以上にもわたり、毎日ニューヨーカーのファッショントレンドを撮影し続けるカメラマン、ビル。今も現役で活動するビル・カニンガムを追ったドキュメントムービー。