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やがて来るシンギュラリティー。今、企業がやるべきことは?
やがて来るシンギュラリティー。今、企業がやるべきことは?
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人工知能(AI)の進化が目覚ましい。ディープラーニングの技術がさらに進展していくことで、人工知能は自ら考え自律的に動くことが可能になると考えられています。その先には、人工知能が人間の能力を超え、自らより優れた人工知能を開発しつづける時代、つまり「シンギュラリティー」が到来することも現実味を帯びてきました。シンギュラリティーはいつ起こるのでしょうか。そのとき人との共存は図られるのでしょうか。

シンギュラリティーとは何か?

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「シンギュラリティー」という言葉を耳にする機会が増えてきました。バズワードとしてインターネットで目にする機会も多くなっています。この、「シンギュラリティー」とは「特異点」のことで、テクノロジーが進化し、人間の生活が後戻りできなくなるほど変容してしまう“点”を意味します。

これまでは主に数学と物理で用いられていた言葉です。例えば、すべてのものを吸い込むブラックホールも特異点の1つ。ブラックホールの中では私たちの知る物理法則が通用しないとされています。そのようなものが特異点と呼ばれています。

しかし、ここでいうシンギュラリティーとは、人工知能の世界的権威者であるレイ・カーツワイル氏が提唱する「テクノロジカル・シンギュラリティー=技術的特異点」を指し、人工知能が人間の能力を超え、人工知能自身がより優れた人工知能を生み出すようになる“点”を示しています。

そんなシンギュラリティーが起こった先の未来では、人間ではなく人工知能が社会や国家、経済を動かしていくようになるかもしれません。まさに、人工知能を支配し、管理していたはずの人類が逆に、優れた人工知能に支配され、管理されるようになる、漫画やアニメ、SF小説で描かれるような「ディストピア(ユートピアの対義語:絶望郷)な未来となるのでは?」と不安になってしまいます。

昨今のテクノロジーの進化を見れば、いつかは機械に人間が支配されるかもしれない、と誰もが想像することでしょう。日本でも例えばその昔、漫画家・手塚治虫氏によって「鉄腕アトム」という、人工知能を搭載した人型ロボットが登場しました。鉄腕アトムの話の中では、「人間の道具」として扱われていたことに対して怒りを覚えたロボットが人間に対して反乱を起こすというシーンも描かれています。

シンギュラリティーはいつ起こるのか?

鉄腕アトムが誕生すると設定されていたのは2003年のことでしたが、現実的には残念ながらまだ人工知能を搭載した優れた人型ロボットは生まれてはいません。するとレイ・カーツワイル氏のいうシンギュラリティーも夢物語なのでしょうか。もし、シンギュラリティーが起こるとすれば、それはいつでしょうか?

「シンギュラリティーは2045年ごろに実現するだろう」とレイ・カーツワイル氏はショッキングな予想をしています。しかも、人工知能が人間を超えるのはもっと早く、今から12年後の「2029年ごろ」としています。つまり、人工知能はシンギュラリティーよりも手前の時点で、まずは人間の能力を上回り、その後も進化を続け、2045年ごろにシンギュラリティーが起こり、人間には考えられない「人工知能自身がより優れた人工知能を生み出すようになる」世の中が到来すると唱えているのです。

1970年代にパーソナルコンピュータが誕生し、その後、テクノロジーの進化は目覚ましく加速している現代ですが、それでも今はまだ、テクノロジーの進化は揺籃(ようらん)期にすぎないといいます。これからもっと加速は進むでしょう。

2045年はそれほど遠い未来ではありません。とはいえ、シンギュラリティーだけに注目するのではなく、そこに至る流れも予測することが大切です。むしろ、その過程を理解することが重要だといえます。

図1:シンギュラリティーへ向かう道

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なぜ今シンギュラリティーが注目されているのか

シンギュラリティーは2045年に突然訪れるわけではありません。現在のテクノロジーが徐々に進化し、発展が蓄積され、やがてシンギュラリティーに到達すると考えられています。

このAlphaGoを開発したのは、2010年に起業したGoogle DeepMindという企業です。当初は簡単なゲームを攻略する人工知能の開発から始め、ついに不可能といわれていた囲碁の世界で人間を超えました。「囲碁で人間に勝つこと」を目的に開発されたAlphaGoは引退し、さらに別の人工知能へと向けられ、高みをめざしていくそうです。

AlphaGoのような高い能力を備えた人工知能ではなくとも、例えば、決められたプログラムの通りに動く産業用ロボットは、すでに多くの工場の生産ラインで活用されています。その数は年々増加し、工場だけでなく一般の職場でも仕事を効率化する人工知能によるロボットが導入されつつあります。クラウドを使ったサービスでも、例えば問い合わせの対応に人工知能を活用するサービスなどが提供されています。

将来的には人工知能で管理された無人のコンビニが生まれ、人間はそこで自由に買い物ができるようになる研究も進んでいます。

ディープラーニングが進化することによって、人工知能は自ら考え、人間を介さずとも人工知能だけで情報収集から分析、判断、実行することが可能となっていきます。しかも、そんな先端の人工知能のプログラムは一個人や、一企業が独占するのではなく、オープンソースとして世界中に公開されており、誰もがその恩恵にあずかることができます。もはや「いつ、シンギュラリティーが起こるか?」よりも、「誰がシンギュラリティーを起こすのか?」の方が興味深いようにすら思えます。

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