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ユニバーサルデザイン 益田文和
Vol.012 軽くて割れない持ち歩きミラー
 

ユニバーサルデザインというと、特別な考え方にもとづいて作られた、特別な商品だと思うかもしれない。確かに福祉用品の多くは特別の目的と機能を持っているし、ユニバーサルデザインとして売られているものの中には、今までにない変わった形のちょっと便利なアイデア商品が少なくないから、そう思うのも無理はない。
しかし、現在日本でユニバーサルデザインといわれているものは、その多くが共用品である。これは世界的にも「kyoyo-hin」で通る、日本独自の考え方であり、老いも若きも、障害の有無をも越えて、皆が使えるものやサービスのことである。どうせデザインをするなら、なるべく多くの人に使ってもらえるように、様々な人や状況を慮り、きめ細かな配慮をもってデザインする。この「気配り」のデザインこそ日本流ユニバーサルデザインである。そこから思わぬ使いやすさや、安全、安心、更には楽しさや美しさが生まれてくる。

半月の形をした二つ折りの厚紙を開くと、現れるのは薄くて軽いステンレスの鏡である。顔全体を映すほど大きくないけど、目元、口元、ちょっと気になる部分をチェックするのに役に立つ。化粧品のコンパクトのように大げさでなく、けばけばしくなく、焼きそばを食べた後、青のりだらけになっていないか? などと気になるというような時にも、さりげなく使うことができる。文字通り鏡面磨きのステンレスは割れる心配がないからバッグやポケットに忍ばせていつでも持ち歩ける。お年寄りや子供の小さなリュックにも入れておいても安心だ。
軽くて割れない小さな鏡、これがユニバーサルデザインとしてのソリューション(問題解決)。畳紙(たとうし)の奥ゆかしさをもった日本のデザインだ。鏡の模様は、インクも塗料も使わない特殊な発色技術による。環境面の配慮にも徹したエコプロダクツでもある。

エコデザイン研究所:コンパクトミラー

益田文和(ますだ・ふみかず)プロフィール

1949年

東京生まれ。

1973年

東京造形大学デザイン学科卒業

1982年〜88年

INDUSTRAL DESIGN 誌編集長を歴任

1989年

世界デザイン会議ICSID'89 NAGOYA実行委員

1994年

国際デザインフェア'94 NAGOYAプロデューサー

1995年

Tennen Design '95 Kyotoを主催

1991年

(株)オープンハウスを設立
現在代表取締役。近年は特にエコロジカルなデザインの研究と実践をテーマに活動している

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