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ユニバーサルデザイン 益田文和
Vol.015 形もおいしい牛乳瓶
 

牛乳はやはりビンに入っているのが良い。中身は同じでもなぜか栄養がいっぱい詰まっているように見える。飲んだ後、ビンの内側に跡がつくのも中身が濃い証拠のようで、牛乳パックでは味わえない満足感がある。同じ中身が見える容器でも、ガラス素材の厚みと透明感がもたらす安心感と品質感は、ペットボトルとは一味も二味も違う。

鳥取県大山山麓の良質な牧草で育てられた牛から作られる「白バラ牛乳」の新鮮さを直接届ける宅配用に開発されたこの500mlビン。胴回り85mmに対して高さが150mmというプロポーションはまるで白いダルマのようだが、中身の牛乳のまろやかで豊かな味わいをそのまま表しているようで、形までおいしそうに見える。真っ白い牛乳に、ちょっとクラシックなバラのマークと白バラの文字が奥ゆかしくも真紅に映えてすがすがしい。
宅配時の安全と効率を考えて、薄く軽くしかも割れにくく改良したガラス瓶は500ml入っているとは思えないほどコンパクト。握るのにはちょっと太い胴体を一部くびらせたデザインが効果的で、片手で持ち上げたり、部屋の中で持ち歩いたり、グラスに注いだりするときに安心して取り扱える。
新鮮さが何より大事で買い置きに向かず、重くてかさばる牛乳のようなものを、産地から勝手口まで直接届けてくれる宅配というシステムそのものが優れたユニバーサルデザインである。高齢者でなくとも都会での一人住まいにとって、ドアの外で牛乳瓶が触れ合うかすかな音が楽しみだったりする。
ビンのフォルムとグラフィックスと中身のイメージがぴったりで、しかも機能的に優れたデザインが評価され、グラスボトルデザインアワード2004の最優秀賞に選ばれた。

「白バラ牛乳500ml」大山乳業農業協同組合の製品
http://www.dainyu.or.jp/

http://www.glassbottle.org/btm/news/2005_03/mt0318_02.html

益田文和(ますだ・ふみかず)プロフィール

1949年

東京生まれ。

1973年

東京造形大学デザイン学科卒業

1982年〜88年

INDUSTRAL DESIGN 誌編集長を歴任

1989年

世界デザイン会議ICSID'89 NAGOYA実行委員

1994年

国際デザインフェア'94 NAGOYAプロデューサー

1995年

Tennen Design '95 Kyotoを主催

1991年

(株)オープンハウスを設立
現在代表取締役。近年は特にエコロジカルなデザインの研究と実践をテーマに活動している

 
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