かしこい生き方を考える COMZINE by NTT コムウェア

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ユニバーサルデザイン 益田文和
持ち歩ける小さなオアシス
 

加齢とともに皮膚が乾燥しやすくなるからだろうか、ホテルなどに泊まるとてきめんに体のあちらこちらが痒くなって寝付かれないということは多くの人が経験しているだろう。そういう時は、浴槽にたっぷりお湯を張って温まると肌も水分を含んで一段落と思いきや、汗が引いて体が乾くとこれがかえって辛い。仕方なくエアコンを切ることになるのだが、それでもいったん乾燥した部屋は容易なことでは湿度を取り戻さない。
乾燥が怖いのは年齢を経た皮膚ばかりではない。花粉症患者にとって、さっきまでグズグズいっていた鼻が急に乾いて粘膜がパリパリになる不快感はほとんど恐怖に近い。この他、女性の肌荒れや、オフィスでのドライアイなど室内の乾燥に伴うトラブルは実に多い。
少し前なら石油ストーブに水をいっぱい入れた薬缶をかけておくと、勝手に立ち上る湯気が湿度を保ってくれたが、エアコンになってからは加湿器が必要になった。
この加湿器も最近では小型のものがいろいろと開発されて、その気になれば旅の鞄に入れられないこともないくらいに小型軽量化が進んでいる。それでも、いざ旅支度となると昨今はパソコンだの携帯電話だの、ドライヤーだのと持って行く電気製品が多くて、加湿器までとなると、気が重くなる。
「ちょこっとオアシス」という気の利いた名前の加湿器は、開くと折りたたんだフィルターが花びらのように広がる。コップ一杯の水を皿の部分に入れるとたちまちフィルターが水を吸い上げしっとりと湿って、後はその水が蒸発するに任せておけばよい。電気を使うわけでもないので実に気が楽。畳めばポケットにも入る大きさで重さもわずか90グラム。
色は3色から選べ、好みに応じて専用芳香液を入れて香りを楽しむこともできる。家庭やオフィスで使うならプランター型の据え置きタイプもある。こちらはフィルターが草花のようないろいろな形をしていてリビングやベッドサイドに置くと面白い影を作るので楽しい。
何でもかんでも電気の力を使って、暖房したら乾燥する、乾燥したら加湿すると追いかけっこをするのはあまり賢いやり方とは思えない。フィルターの素材が自然に水を吸い上げて乾いた部屋の空気が勝手に水分を含んでゆく。本当のハイテクとはこういう静かな仕組みを作ることなのだろう。

株式会社ミクニ/ちょこっとオアシス(ホワイト・ブルー・ピンク)、ミスティガーデン、専用芳香液(ラベンダーの香り・ベルガモットの香り)

益田文和(ますだ・ふみかず)プロフィール

1949年

東京生まれ。

1973年

東京造形大学デザイン学科卒業

1982年〜88年

INDUSTRAL DESIGN 誌編集長を歴任

1989年

世界デザイン会議ICSID'89 NAGOYA実行委員

1991年

(株)オープンハウスを設立

1994年

国際デザインフェア'94 NAGOYAプロデューサー

1995年

Tennen Design '95 Kyotoを主催

現在

(株)オープンハウス代表取締役。近年は特にエコロジカルなデザインの研究と実践をテーマに活動している。

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