日本のマヨネーズを語る上で外せないポイント、それが瓶からポリボトルへの
容器革命だ(1958年)。それまでの瓶入りは主にキッチンユース。
つまり、台所で和えて食卓に出すといった使い方だったが、ポリボトル入りになって、
マヨネーズがそのまま食卓にのるようになった。
また、マヨネーズのおいしさは“酸素との戦い”と言われ、原料の7割を占める
油の酸化をいかに防ぐかが大きな課題だった。
キユーピーでは、乳化を真空状態で行うとともに、ポリボトルにも改良を加えた。
口部に残った空気の窒素置換、アルミシールでの密封、ほとんど酸素を通さない多層構造、
そして2002年から採用した“おいしさロングラン製法”など、1本のポリボトルにも
独自の酸化防止技術が活かされている。
最近、何にでもマヨネーズをかける「マヨラー」、専用のマヨネーズを持ち歩く
「マイマヨ」などの言葉が流行しているが、それだけ食の洋風化が進んだ
ということなのだろうか?
「ご飯にマヨネーズをかける、これは何も今に始まったことではありません。
昔もそういう食べ方はあったのですが、貧しい頃の話なので
誰も公言しないんでしょう(笑)。キユーピーマヨネーズは卵黄の量が多いので味が濃く、
卵黄のタンパク質から生まれるアミノ酸、ペプタイドでうま味も強い。
味噌や醤油と同じように、ご飯によく合うんです。
和風ドレッシングやカレー、ウスターソース・・・、日本に定着する洋風調味料はどれも、
主食であるご飯との相性がいい」
なるほど、ツナマヨおにぎりやサラダ巻き、お好み焼きにたこ焼きと、
マヨネーズが使われるシーンは多く、もはやマヨネーズ=洋風料理、マヨネーズ=サラダ
といった公式は当てはまらない。ちなみに、マヨネーズの野菜離れは1980年代後半から進み、
現在では約5割が野菜以外に使われていると言う。
「卵黄をたっぷり使った栄養豊かな食品を」という董一郎の目的が、
図らずも日本人の口に合う濃厚な味を生み出した。
キユーピーマヨネーズは、世界のどこにもない日本独自の調味料と言えるだろう。
取材協力:キユーピー株式会社
http://www.kewpie.co.jp/ |