今年で発売50周年を迎えた「オロナイン軟膏」。
残念ながら、発売当初のパッケージは残っていないが、デザイン的にはほとんど変わっていない。
オロナインに限らず、大塚製薬の製品は発売当初のイメージを守り続けることが多いと言う。
それは「売っている本人は見飽きてしまうかもしれないが、
安易に商品イメージを変えたら、お客様が分からなくなってしまう」との考えからだそうだ。
一方、商品名は、当初の「オロナイン軟膏」から、69(昭和44)年に
「オロナインD軟膏」、72(昭和47)年に「オロナインH軟膏」と変わっているが、
これは主剤の違いによるもの。「オロナインH軟膏」の「H」は、
主剤であるグルコン酸クロルヘキシジンの「ヘキシジン」に由来する。
オロナインは、子供の擦り傷や切り傷、お母さんの手荒れ、お父さんの水虫、
ティーンエージャーのニキビなど、どの世代においても
“安価で安心”という同じイメージを持たれながら使われてきた。
02年度末の年間売り上げは約60億円で、ここ数年はほぼ横ばいだそうだが、
専門薬化が進んだ塗り薬の現状や、消費低迷で縮小傾向にある大衆薬市場を考えれば、
大健闘と言えるのではないだろうか。
一つあれば安心な家庭の常備薬。
「オロナインでも塗っておくか」の「でも」は、そこまで家庭に浸透した証であり、
オロナインが歩んできた歴史を象徴する言葉なのかもしれない。
取材協力:大塚製薬株式会社(http://www.otsuka.co.jp/)
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「オロナインH軟膏」は10gチューブ入りのほか、30g、100g、250g、500g瓶入りをラインナップ。 |
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