認証が必要とされるほど世の中に罠が多く潜んでいるということでしょう。情報化社会では、情報の速さと同時に悪事も千里をあっと言う間に走ってしまいます。
朝帰りして奥方に締め出しを食っている姿を詠んでいる作品が数多くありました。世の亭主族の共通体験なのでしょう。認証拒否され、外で呆然とたたずみ、後ろめたさを悔やむ姿が浮かんできます。また認証の精度をうらめしく思う作品も多かったようです。認証するものが妻であったり犬であったり、セキュリティのための最新の機器であったりと皆さん「認証」という言葉を幅広くお使いになっていました。
何のかんのと、認証チェックの一番の難関は奥さんのようですね。類似の作品の中で特選句がそれを端的に表していました。夫は忘れるが妻はその日を覚えてる。それによってのいさかいも起こりがちです。我が家とてもトホホホホ。
「認証がある安全な危険な世」
立川談幸
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