IT川柳
お題は「センサー」
十一月の特選
- 膝にあるセンサー傘の出番告げ(颯爽)
十一月の名作・迷作選
- ほらセンサーここにいるでしょいいオンナ(おーちゃん)
- 防犯のセンサー深夜お出迎え(かきくけ子)
- 勘という嘘発見器持った妻(かすみ草)
- 父のギャグどのセンサーも無反応(さささささ)
- じいちゃんが風向きはかる舐めた指(つぐみん)
- 我が舌は賞味期限を知るセンサ(駒ヶ根権兵衛)
- すわ泥棒タマが通っただけのこと(空徳利)
- 母さんは背中にだって眼と耳が(八十日目)
- ゴルフ日を妻のセンサー感知する(ありの実)
- 恋心足音だけで赤くなる(ころのすけ)




センサーは今や、われわれの生活の安全・安心を守ってくれる心強い味方です。ワイヤレス、コードレスにしても操作は人間がしなければなりませんが、センサーは自ら感知して作動。生活の利便性アップにも大いに役立っていますね。こちらが何もしなくても対処・処理してくれるということは、“思いやり”があると言えるのかもしれません。一方、人間には第六感というセンサーがあります。浮気を見つける奥さんの鋭いセンサーに恐々としている作品が多く見受けられました。反応させるものがあってこそ、センサーは働きます。人間関係も相手に対していかに自分の心のセンサーを働かせるか。それが“思いやり”につながるのでしょう。
特選句は人間の持っている、機械では計測できないようなものを感知する能力を面白く詠んでいますね。「あー、そうそう」と共感される方も結構いらっしゃるのでは? 天気予報より当たるということもあるようです。古傷がうずくとか、頭が重いとか、結局、人間の体に勝る精密機械はないということでしょうか。
「鋭と鈍あって平和の匙(さじ)加減」 立川談幸

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編集部より |