IT川柳
お題は「ガラケー」
九月の特選
- ファイルより妻の態度とその体重(たかさま)
九月の名作・迷作選
- 圧縮がゆるりととける妻の留守(あーさまま)
- 圧縮が解けてデータする背伸び(やじろべー)
- 圧縮が過ぎてちょっぴりボケた振り(ばろんちゃん)
- 大顔のサイズ縮めぬデータだけ(ロシアンダイバー)
- 情景を圧縮できる五七五(駒ヶ根権兵衛)
- お守りに圧縮されている期待(汐海岬)
- アルバムに解凍前の妻がいる(颯爽)
- 結婚の祝辞圧縮喜ばれ(こめろん)
- 圧縮に耐えて漬物味が出る(ころのすけ)
- 圧縮をしたい上司の長話(ラコック)




IT社会の到来とともに、一般的な言葉がIT用語として使われるようになった例がたくさんあります。今回のお題「圧縮」もその一つですね。送るにしても重かったり、しまっておくにも大き過ぎるデータも、圧縮すればスッキリ。時間やスペースの節約にもなります。「圧縮」という言葉から体形を圧縮したい、させたいというところに着眼して作られた方が多かったようです。メタボのお悩みは共通ですね。圧縮したいもの、させたいもの、反対にしたくないものが世の中にたくさんあるんだなあと、皆さんの作品から気付かされました。
恐妻家というのも全世界共通で、妻は亭主にとって克服できないテーマのようです。特選句は、その思いを今回のお題に合わせて端的に表現できていると思います。圧縮してほしいのが、体重や体形ばかりでなく、その態度というのは恐妻家の切なる願い! 優先順位がファイルより上というところが面白いですね。
「圧縮を進化で遂げた脳の皺」 立川談幸

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編集部より |