IT川柳に投句される皆さんの作品を拝見していますと、近未来を予想する創造性あふれるものを数多く見受けます。電子マネーも日常のことになってしまって、何も不思議に思わなくなりました。しかし、ちょっと立ち止まって十年、二十年前にさかのぼって現代を見てみますと、「へーえ、こんな時代に」と感嘆の声があがることでしょう。「とうとうここまで来たか」という思いが、時代の進歩と共に更新されていきます。電子マネーの便利さ、手軽さに慣らされてきているようですが、どこか現金(げんなま)の醍醐味に未練、郷愁のようなものを残しているようです。その味気なさも感じていますね。ハイテクがいくら進んでもハイタッチを忘れずに持っていたい、という表れが見え、ホッといたします。「手の切れそうなお札」なんて表現も過去になってしまうのでしょう。あの感触がたまらないんですけどね。そう言えば、お札の肖像で日本の偉人を学んだという覚え、ありますね。
「家計簿を不精にさせた明細書」
立川談幸
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