コムジンでのIT川柳が始まってだいぶ経ちましたが、ハイテクをテーマにしているにもかかわらず、実のところそれらをハイタッチに置き換えて詠まれている作品が、毎回かなりの数に上ります。ITを駆使するといえども、そこには人間の営みがあり、どこかに必ず人間臭さが出てくるものです。そこには人間の本質が現れ、面白味が表現されています。そしてそれが川柳の醍醐味です。
今回のテーマにしても「バッテリー」を夫婦、恋人、会社での人間関係、自分自身などになぞらえて、その中に人生の共感するものが見えてくる作品を楽しく拝見いたしました。心の充電を詠むものが多く「癒されたい」という現代人の疲れが反映されています。心の豊かさは無限ですが、物は有限です。有限なものを無限に追い求めることに警告することも大切ですね。なにごとにも過充電は禁物のようです。
「マーフィーは嘘をつかない電池切れ」 立川談幸
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