IT川柳
お題は「オンライン」
七月の特選
- 命日は冥途の父母とオンライン(俄か雨)
七月の名作・迷作選
- 宿題に続きはwebと書いて出す(やまじゅうし)
- 我が女房オンラインは過去の事(ji-ji)
- 生きて行く人と人とのオンライン(あーさまま)
- オンラインゲームの相手我が子とは(いいだや)
- 買い物も仕事も遊びもマイルーム(かわたけ)
- 欠かせない水と空気とオンライン(くるりん)
- 真夜中も健康器具を売るショップ(とっちん)
- 七人の敵と繋がる家の中(ビジーネスマン)
- いい時代化粧しなくもお買いもの(春爺)
- 先祖からDNAのオンライン(森の児)




オンライン、つまりインターネットにつながっていることによって、居ながらにして日常生活に必要なことが出来てしまいます。買い物、銀行取引、各種予約、医療、学習、恋愛、映画、ゲーム…。昔は高速道路が結ばれることによって地域間格差をなくそうという動きがありましたが、今はオンライン化によって地域間格差がなくなりつつあるでしょうね。
今回は大震災から得た教訓なども巧みに反映されている作品が結構ありました。特選句は、ネット上での「オンライン」が主なテーマなのですが、見えない心が繋がるということも、広く考えればオンラインと呼んでもいいかもしれません。日常の忙しさについつい取り紛れて、オフラインしてしまっている両親へ、せめて命日の日にこの世とあの世を心のオンラインで結ぶという、テーマがハイテク用語でありながら、人間味ある温もりを感じさせてくれる作品でした。
「オンライン糸に綱にもなって生き」 立川談幸

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編集部より |