IT川柳
お題は「3D(スリーディー)」
八月の特選
- ナイターのヒーローとするハイタッチ(わくらい)
八月の名作・迷作選
- 現代っ子寝て見る夢も3D(2番センター梅干し)
- 痴話げんかだんだん手が出るスリーディー(とむちゃん)
- 飛び出した画像に体をよける母(エミエミ1972)
- テレビから一休さんが虎を出し(かづき)
- 賃貸のこの部屋だって劇場に(タルッキー)
- 臨月の子がキックする3D(でんでん太鼓)
- 遠慮なく飛び出す狭い我が家でも(こぶんちゃん)
- 3Dメガネで見ても薄い金(はるやす)
- 憧れのキスはしたけど無い実感(護空)
- 飛び出すと画面と共に財布まで(夢之翔)




3Dがいよいよ家庭にも飛び込んできましたね。まだまだ高値の花なのでしょうか、画像も飛び出るが、その値段に目玉も飛び出すという面白い言い廻しで揶揄する作品を多く頂戴いたしました。川柳らしくクスリという笑いがついもれてしまいます。
映像で受ける3Dと現実の3Dとが、「夢か現(うつつ)」かという具合に受け止められ、夢から醒めてのがっかり感を表した作品も結構ありました。体型にも飛び出てほしいところと飛び出してほしくないところがあり、それを3Dというお題を通して面白く表現されている作品も目立ちました。そのうち触覚、嗅覚さらに味覚まで満足させてくれるものが出てくるかもしれませんね。
いずれにせよ進んだ文明が、心豊かにしてくれるものであってほしいですね。くれぐれも「現」の世界に生きていることを踏まえて、楽しみましょう。今回はお題が「3D」だけに即、絵が浮かんでくる作品が多く、楽しませていただきました。類似した作品が多いということはオリジナリティ性から考えれば歓迎すべきことではありませんが、川柳の要素を踏まえていたものが多く、類似しているとは言っても、共感と言う意味では歓迎すべき作品が多かったです。
バーチャルな3Dであっても、より現実に近い感動を居ながらにして享受できるということは素晴らしいことですね。特選句はその幸せ感が大いに伝わってきました。
「捜してるメガネ飛び出てきてくれず」 立川談幸

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編集部より |