
IT川柳
お題は「USB」
十一月の特選
- 家計簿にポイントという新科目(清茶庵)
十一月の名作・迷作選
- ポイントの数より多いカード類(koarikui)
- ポイントでサイトを選ぶ同じ品(クンリーマンマ)
- 箪笥からへそくり移すキーボード(あどぞう)
- ポイントで妻から貰うおこづかい(ニューキャッスル)
- 名幹事ポイントカードをそっと出し(ビジーネスマン)
- 出直そう明日はポイント3倍日(ポイントゲッター)
- ポイントはレジに立つ娘の片えくぼ(ま〜いける冗談)
- 家計簿をポイントごとに仕分けする(よし得)
- ポイントが貯まる数だけ減る貯金(森の児)
- 投薬にポイント付いたらすぐ貯まる(尼の政爺)




今や世の中ポイント流行り。百貨店、スーパー、各種量販店にチェーン店、コンビニ、乗り物、通販、通信…、いろいろなものにポイントが付いてきます。業界の中である一社が先駆けてポイント制度を始めると、不安感からかライバル心からか分かりませんが、他社もポイント制度を始め、それが他業種までにも及んで、気がつけばポイントの付かないものの方が少なくなってきているのが実情です。寡占化を狙っての導入だったのでしょうが、あまりにも周りがポイントを付け始め、もうこれからはどう差別化していこうかというところでしょう。
消費者もその場で少額を割引きしてもらうよりも、ちりも積もれば何とやら、日々の消費生活の中で貯蓄をするかのように、知らず知らずポイントが貯まっていくことが喜びに…。世の中の貯まりに貯まったポイントを国民が一斉に、そしていっぺんに使い切ったら果たしてどういう結果になるのでしょうか? 業者からすれば「できれば貯めたまま使わないで」というのが、案外本音かもしれませんね。ポイントの魅力をどう使いこなすか、ポイントの誘惑にどう対処していくのかは、お財布とくれぐれもご相談を。
一方、自分への評価、妻、子供、上司、部下の働きっぷりにもポイントを付けてあげたくなることがありますね。いつかこの「IT川柳」にもポイント制度が導入されるかもしれません。
頂いた作品の中にはポイントを上手に活用することと、その反面、期限、誘惑、ポイント貧乏…など自戒を含めたものも結構ありました。案外、皆さんポイントの"利"と"負"を見定めていますね。両面経験していらっしゃるということでしょう。経験が何よりの教訓になります。
特選句は類似した作品もあったのですが、ポイントが新しいライフスタイルに完全に組み込まれている世相をうまく表現していると思いました。家計簿をつける項目に、「新科目」が増えたという言葉を使った表現が新鮮で面白みを添えてくれました。
「使い過ぎ小言の分で機種を変え」 立川談幸

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編集部より |