
IT川柳
お題は「USB」
十二月の特選
- マナーにはうるさい父の高いびき(ゆうごじゅう)
十二月の名作・迷作選
- アラームもマナーモードで遅刻する(hiro)
- 着信が無くてマナーに出番なし(あーさまま)
- テーブルでマナーモードが暴れてる(あどぞう)
- 着信音消しても地声よく響き(ぐらふと)
- マナーより電源オフの初デート(こりんご)
- 独り身がマナーモードになる聖夜(夏季厳禁)
- 家着けばマナーモードがオフの妻(たかさま)
- 食っちゃ寝をマナーモードと言う女房(嵐山)
- 鳴りたくて鳴りたくてほら震えてる(ふくジロー)
- 着信のフリして唸り去る酒席(おてもやん)




路上喫煙に対し「マナーからルールに」というキャッチフレーズで禁煙を促したものがありました。昨今は自転車の通行にもそれに近い警告が発せられています。電車内でのヘッドホンからもれるシャカシャカ音は相変わらずです。公的空間がどんどん私的空間として使われてきているように思われ、そんな場面をいくらも目にします。投句された方々の中にも、それに対して警句的発想で作品を作られている方が多く見受けられました。
IT川柳の面白いところはそのものについてもさることながら、無機的なものを人間に当てはめて表現するということにもあると思います。中でもそれを「我が女房」に当てはめられる方が圧倒的です。それだけ共通の感想をお持ちなのでしょう。
そして、せっかくマナーモードに設定していても、使う本人が周りに迷惑をかけてしまっているという、マナー破りの話声の光景も結構見受けますね。ご自身にもマナーボタンの設定を。
特選句は、きっと日頃から公衆マナーなど口うるさく言っているお父さんなのでしょう。それが寝ると家中響く高いびき。マナーの小言も吹き飛んでしまいますね。「お父さんだって寝ると迷惑かけるじゃないの!」と家族反撃の一句。
「サゲ間際着信音が凍らせる」 立川談幸

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編集部より |