
IT川柳
お題は「着信履歴」
一月の特選
- チャクレキを見るのが怖い朝寝坊(あどぞう)
一月の名作・迷作選
- 着歴に源氏名ばかり並んでる(towaG)
- ワンコールただの撒き餌で鯛が釣れ(詐欺師おやじ)
- 着歴の本命だけにかけ直す(はるやす)
- けんかしたあとにすぐ見る着信履歴(やんちゃなヨーキー)
- 午前様我が家が見えて消す履歴(銀次郎)
- 肩書きも着歴も無い定年後(山 十四男)
- 黙秘でも着信履歴ものを言い(升弥)
- 妻だけが履歴に並ぶ不自然さ(清茶庵)
- 生きてます履歴に母の声がする(爪楊枝)
- 飲み会でチャクレキ見たら酔い覚めた(尼の政爺)




電話に出られず、折り返しかけ直さなければならない相手だった場合、「何とこの着信履歴の便利なことよ」と、こういう機能が出来たことに感謝したものです。相手の選別が出来るというのも安心感のひとつです。そして、アリバイ・証拠として、犯罪捜査にひと役買っているということも、この着信履歴の恩恵でしょう。しかし、その反面プライベートなことの足取りを知られないようにと、心を砕くようにもなりました。別に隠すことのない方は良いでしょうが、投句を拝見していると、秘密にしておきたいことを、皆さんたくさんお持ちのようですね。
定年後の寂しさを詠んだ作品も結構見受けられました。現役で働いているときの頻繁な着歴に辟易していた方も、定年後肩書きが取れ、着信のない静かな日々に安堵しているというより、やはり一抹の寂しさを感じていらっしゃるようですね。社会と関わってこそ、生き甲斐があるということに気づかれた方も多いことでしょう。
特選句は、こんな経験をお持ちの方が結構いらっしゃるのではと選びました。着歴を見ただけで鬼のような形相の上司の顔が浮かんできますね。夜更かし、深酒ご用心!ケータイも着信履歴を見るときの状況により、喜怒哀楽を持つ生き物になりますね。
「着歴にハッとホッとが同居する」 立川談幸

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編集部より |