
IT川柳
お題は「コピペ」
三月の特選
- 就活で出会うコピペの顔ズラリ(はるやす)
三月の名作・迷作選
- 髪の毛もコピペできたら妻笑う(mappy)
- 告白のコピペばかりが増えていき(あーさまま)
- 昇給も無しでコピペな手取り額(アガリータ)
- コピペする技術鍛えるワイドショー(あどぞう)
- 母からの愛を子供へコピペする(嵐山)
- コピペして送った先がコピペ元(よべ)
- 祖父の背の湿布剥がして祖母に貼る(琴音翼)
- コピペして浮いた時間を持て余し(五時憂吾)
- コピペしたスピーチかぶる披露宴(森の児)
- 上手いねぇ!実はコピペと言い出せず(清茶庵)




新しいメディア、新しいツールができるたびに生活が便利になり、かつ向上していきます。そしてその利用法は、ユーザーの工夫により思わぬ方向に向かいます。「あっ、こんな使い方もあったのか」と、より利便性が高いことに気づかされたり、「こりゃ困った方向に行ってしまったぞ」と危惧の念を抱かされたりと、いつの場合にも二面性が現れてきます。
コピペすることにより、仕事の効率が飛躍的に上がったということもあるでしょう。その反面、安易な方向のみに流されて行ってしまうという警戒感も出てくるでしょう。「あれもこれもコピペ出来ればなあ」と、コピペに夢を描く作品が多く見受けられました。理想的な仕事、容姿、才能、暮らし、家族・・・そのまま自分にコピペできたらなあ、と溜め息が聞こえてきそうです。
我々落語家の世界では、対面の稽古でも、それを録音させてもらうことが主流になってきています。落語を覚えるという作業に関しては効率がいいのですが、丸覚えすることによって、自分なりの工夫を入れる作業がおろそかになってしまう傾向になってしまっています。個性の喪失です。そんな意味で、特選句は没個性への警告をコピペになぞらえて、世相を反映しているユニークな着眼点を感じる作品だと思いました。
コピペ的生活によって個々が持っているユニークさ、オリジナル性が損なわれないように心がけたいものですね。
「コピペ文脳を素通りする知識」 立川談幸

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編集部より |
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