
IT川柳
お題は「シェア」
四月の特選
- ご近所と醤油シェアした良き昭和(琴音翼)
四月の名作・迷作選
- 内装も家具も女房が占めるシェア(アガリータ)
- 価値観のシェアで夫婦を五十年(あぐみ)
- 震災の痛みを分かつ掲示板(わたあめ)
- 幸不幸シェアして続く夫婦仲(夫婦茶碗)
- 居候シェアと言えば聞こえ良し(だいちゃんZ!)
- 体重もシェアも妻は右上がり(たかさま)
- 若夫婦シェアはパソコン家事育児(タツノお年ゴ)
- よろこびをシェアして恋に気づく春(汐海(岬)
- 相席はしたくないけどシェアは好き(猫舌)
- 悲しさをシェアして向かう募金箱(あどぞう)




分かち合うものには物、お金、仕事、部屋…、IT時代はソフトにフォルダといろいろです。
シェアには「分け前」という意味もあります。シェアすることによって分け前を取る、取られるという摩擦的な事象が起きかねません。作品の中にもシェアすることによって与えるというより、取られたという意味合いのものが数多く見受けられました。また、夫婦関係になぞらえてのものが結構ありました。
しかし、分かち合う本当の目的はというと、シェアによって得られる喜びや幸せを分かち合うということではないでしょうか。それは孤独ではないという安心、安堵にもつながることでしょう。情報を共有し分かち合う。それを今はIT化によって、より多くの人と喜びを分かち合うことが可能になりました。寡占、独占ではなくてシェアすることによって、安心や安全を確保するという生活の根本も得られますね。
シェアという言葉は真新しく感じますが、分け合う、分かち合うということであるならば、それは日本人の庶民がもともと持っていた温かい人情です。特選句はそんな昭和の庶民の暮らしぶりを、今回のテーマである”シェア”という現代語を通して古き良き時代、懐かしい風景を思い起こさせてくれました。他の作品には見られない切り口でした。
「シェアをして1/2が倍になり」 立川談幸

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編集部より |
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