
IT川柳
お題は「添付」
七月の特選
- 金送れメールに添えた痩せた顔(かづき)
七月の名作・迷作選
- クシャミより添付ファイルで菌が飛ぶ(KAKA)
- 団欒に妻は笑顔を添付する(笑い袋)
- オーディション添付ファイルが物を言う(クロちゃん)
- 残業の友にジョッキの画を添付(とっちん)
- 愛妻家料理も腹に添付され(ばろんちゃん)
- ときめいて添付開ければ請求書(浜ぶどう)
- 老いの恋孫の写真を添付する(雅)
- 無農薬食に添付の顔写真(諏訪の湖衣姫)
- 添付した孫の写真が風邪に効く(蒼い朱鷺)
- もみじの手だんだん大きくなる添付(風水)




「添付」、簡単なようで難しいテーマですね。みなさん、表現に苦慮されているようです。それでも川柳的視点で、おかしみを絡ませて作品を作って下さいました。
柔軟にそして多角的にものを見る、というのが川柳の面白さでもあります。
今回は「添付」というテーマの解釈を広げて、多様性をもたせた作品を送って下さいました。その中でも「添付」に、”愛を添える”という意味合いを乗せての作品が比較的多かったようです。ということは翻って考えてみると、日常的にみなさん、愛が足りないのかしらと想像してしまいます。良いものが添えられてくるのか、邪魔ものが付いてくるのか、「添付」にも捉え方に表裏があって面白いです。
特選句は文章だけでは伝わらない、親の泣きどころを突いての説得力に、「添付」を大いに役立たせていますね。「金送れ」の親への無心は昔からあるものですが、現代版となると「添付」にはこういう活用法もあるんだなあと、感心(?)してしまいます。
「百聞を今は添付でしかず見せ」 立川談幸

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編集部より |