
IT川柳
お題は「認証」
八月の特選
- オヤジだと認証される加齢臭(侘び介)
八月の名作・迷作選
- 認証で知った上司の誕生日(あどぞう)
- 認証が認証せずと認証す(こんなことも)
- 同窓会顔認証に四苦八苦(やんぎん)
- 認証も体重増を指摘され(シロ)
- 厚化粧落とした妻にポチが吼え(ブルードラゴン)
- 合言葉ツマアイシテルで開くドア(りのんぱ)
- 真実の恋か認証する瞳(汐海(岬)
- 目と指紋僕の体がパスワード(森の児)
- 現代の怪談「認証されません」(清茶庵)
- ゆくゆくは目の曇りまで指摘され(銀次郎)




IT社会になり、かなり生活の質が変わってきて、その恩恵は計りしれません。毎度申し上げておりますが、便利になればなるほど、その陰に落とし穴があります。IT社会となれば、そのセキュリティの高さを向上させていかなくてはなりません。他人が自分になりすましたり、情報が悪用されたりと、セキュリティチェックの歩みと犯罪はいたちごっこのようであります。
単に自分であることを証明することが難しい時代になりました。生体認証には指紋、顔、静脈、虹彩、声紋・・・など、いろいろあるようです。その精度の高さが究極まで求められる時代です。
投句には顔認証に関する作品が多かったようです。久しぶりのクラス会などでは、まるっきり面影がなくなって、だれだか認証できない友が必ず一人や二人はいるものですね。
朝帰りすれば、奥さんが亭主とわかっていても、わざと認証せず締め出してしまう、そんな夫婦の光景を詠んだものも多かったです。その昔は鍵をかけずに出かけても、”ご近所”というセキュリティで留守が守られていましたが、現代はそうもいかないようです。安心・安全の考え方も変えていかなくてはいけないでしょう。認証の仕方、され方もどんどん工夫が凝らされて、もっともっと進歩していくでしょう。生体認証にそれこそ匂いまで入ってくる時代も来るかもしれません。加齢臭もそのひとつになってくるかも。まずは機械より周囲の鼻にご注意あれ!
「俺様と言い張る前に指出せば」 立川談幸

![]() |
編集部より |