
IT川柳
お題は「バックアップ」
十月の特選
- 年寄りのバックアップは「メモ用紙」(かわたけ)
十月の名作・迷作選
- タンスにはバックアップの二万円(KAKA)
- 一豊の妻となれずにくじを買う(あちあなん)
- 見覚えのある字で届くダンボール(良馬)
- パソコンよ裏方ありて表あり(すい)
- 物忘れバックアップは妻の役(タツノお年ゴ)
- 雷にへそとデータを盗まれる(もへじ)
- あの恋が復元される日記帳(汐海岬)
- 遺言のバックアップを上書きす(森の児)
- 同僚のバックアップで切り抜ける(酔狂庵仙人)
- 問題はバックアップをしない方(爺さん)




今回のテーマはバックアップ。支援などという意味で一般名詞として、普通に使われている言葉ですね。これがITの世界になると、ちょっと違ってきます。しかし、その意味するところの根本は大体同じですので、日常生活とIT関連との共通項をかけて詠まれている作品をたくさん頂戴いたしました。
データなどバックアップをとっておかなかったために、苦い経験をした方は結構いらっしゃるでしょう。私もそのひとりです。その経験から、何をするにもバックアップしておくことを、当たり前のことと致しました。バックアップせず消えてしまった、あるいは消されてしまった、そんな不安は解消したいものです。データは消えちゃ困るが、過去は消したいなんて…誰です、そんなことを言うのは? 消される恐怖に、消せない恐怖。いろいろですね。
仕事やスポーツ競技、親子関係、人材育成、人の和などなども、データ同様、常にバックアップしていきたいものです。して喜ばれる、されて助けられる「バックアップ」は案外温かみのある言葉です。
特選句は、時代、世代によって、使うツールこそ変われ、人の生活の中では同じ営みが行われていると言うことでしょうね。な〜んだ、メモをとることもバックアップのひとつだったんだと、気づかされました。いつの時代でも「バックアップ」は大切なことですね。
「チャレンジをバックアップが押す一歩」 立川談幸

![]() |
編集部より |