
IT川柳
お題は「回線」
二月の特選
- 核家族回線だけは大家族(大和三山)
二月の名作・迷作選
- 回線が渋滞している会議室(双葉)
- 光速を知って遺跡の旧回線(おてもやん)
- 赤い糸回線網に四苦八苦(さるすべり)
- 困ったら回線混むとそう返事((たかさま)
- 回線が結ぶ絆と人の愛((はるやす)
- かじるのは昔ねずみで今ウィルス(ぽん太)
- 点と点線で結んで人となる(縁結び)
- ゴチャゴチャと無線の走る日本晴れ(てこ)
- 泥酔し回線つなぎ帰宅する(十六夜)
- 回線を高速にして待つ返事(汐海岬)




毎回のテーマを人間の営みに重ねあわせて、可笑しみを醸し出すのがIT川柳の面白さだと思います。ハイテクにも血が通ってきます。毎回、表現の多くは「恋愛系」「夫婦系」「親子系」「上司・部下系」に大別されるようです。今回のテーマ「回線」につきましても前記の四つのパターンを通して詠まれたものをたくさん頂きました。
「回線」というテーマも、川柳を通すと温もりが感じられるようになります。回線を赤い糸に見立てたものが結構見られ、それだけ共感される方が多いということでしょう。
特選句は、現代人の生活ぶりをズバッと言い当てた鋭さを感じました。ちょっとブラックユーモア的でもありますね。見えない線が地球をとりまき、そしてつなぎ、生活、心を豊かにしてくれる時代になりました。落とし穴もあるようですが…。
「走攻守つなぎも光る名選手」 立川談幸

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編集部より |