
IT川柳
お題は「つぶやき」
四月の特選
- ニュースよりつぶやきに世の実が見え(ひぐらし)
四月の名作・迷作選
- 偏屈がつぶやきで言うありがとう(あちあなん)
- ツイッター575でつぶや句よ(いーなん)
- 指先が舌先超えてよく動く((かきくけ子)
- つぶやきは俺はスマホで妻リアル(恐妻家)
- ばあちゃんのつぶやき知恵の宝箱(にこにこ)
- つぶやきが大声となる芸能人(よしえ)
- つぶやきが一言居士のセレモニー(岸田万彩)
- 可燃物だったと気付く独り言(山田めぐる)
- 近頃は目でつぶやきを聞いている(汐海岬)
- つぶやいて尾頭付きになる噂(瞑王院風雅)




「愚痴はよそうぜ体に悪い…」という流行歌の文句がありましたが、実際、人の愚痴を聞くというのは心地よくはないものです。しかし、人間どこかで愚痴を吐き、それを聞いてくれて共感してくれる人がいなければ精神衛生上よろしくないようです。
つぶやきの中にはそれを解消してくれる効用もあるようです。以前であれば自分の胸の中、日記の中だけに収めておいたものが、今は発信することによって共感、賛同してくれる人が出てきます。これは心強いことではないでしょうか。
口八丁手八丁ということを以前は言いましたが、今は指八丁がものを言います。ごくごく身近な愚痴から、世界情勢まで「つぶやき」の発信の威力はたいしたものです。
新聞、テレビなどのニュースは事実を報道してくれます。しかし、真実となるとそこからは見えてこないものもあります。「つぶやき」により多種多様な見方、考え方を知り、見えないものが見えてくるものがあるようですね。
特選句は、そんな「今」を端的に無理ない言葉で表されていると思います。
「つぶやけばどこかで見てる拾う神」 立川談幸

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編集部より |