
IT川柳
お題は「バージョン」
六月の特選
- バージョンが古くて指がホッとする(いーなん)
六月の名作・迷作選
- バージョンが上がり妻からお母さん(KAKA)
- 新機能使う自分が古機能(no)
- 上げるならバージョンよりもお小遣い(山口菜奈)
- バージョンの違いで並ぶ秋葉原(あどぞう)
- 元彼を旧バージョンと呼ぶ彼女(しげのり)
- 未来にはバージョンアップの子供たち(ぼーりょと)
- 半年後新製品はセール品(まこ)
- 失恋でバージョンアップしてく恋(ミント)
- バージョンがそれぞれ違う三世代(ユカ)
- 僕達はバージョン上げて進化する(りゅう)




「バージョン」という言葉はいろいろな意味合いで使われますね。音楽の世界やデザイン、出版、ファッションなど表現のさまざまな引き出しとして使われたりします。
IT川柳らしくアプリケーションやソフトウェアを対象としての作品もたくさん頂きました。そして今回は高校生からの投句も多く、十代らしい素直に詠まれた作品も数多く頂戴いたしました。
ITの世界ではより便利に便利にと、バージョンがアップされていきます。その速度の速さや頻度の多さに、追い立てられるように感じることもありますね。ユーザーが不便さを感じてからでもいいのにと思うこともありますが、この世界はどんどん進んでいってくれます。
特選句は、そんなあわただしさに「ちょっとひと息ついてみようよ」と、見栄をはらずに、無理をせずにと、自分なりの歩調、歩幅を正直に表現されていますね。
安堵感は普通、心で感じるものですが、その安堵感を指が感じるという現代ならではの面白い表現だと思いました。
「アップしてはじめて前の不備を知り」 立川談幸

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編集部より |