IT川柳
お題は「ナビ(ゲーション)」
十月の特選
- 青い鳥探す旅にはナビは無い(空徳利)
十一月の名作・迷作選
- カーナビの声に惚れつつ旅をする(かきくけ子)
- おもちゃ屋へ一直線の孫のナビ(ことりん)
- 女子からのナビゲート待つ草食系(だいちゃんZ!)
- 君という到達点のナビほしい(たかさま)
- 無言でも父の背中が子に語る(ふうた)
- もてあそぶつもりのナビがもてあそぶ(みぢんこ)
- 俺はナビ女房は勘で目的地(ラコック)
- 何となくナビに逆らう星月夜(やじろべー)
- 満月とナビに入力かぐや姫(汐海岬)
- 言いつけに背いてガソリン無駄にする(万彩)




ナビという言葉が一般的に使われるようになったのは、やはりカーナビの普及からでしょう。そこから道案内としてのナビばかりではなくいろいろな分野で使われるようになってきました。グルメ、就職、転職、電車の運行や乗り換え、旅行、婚活…、そのお陰で随分と無駄や労力が省けるようになりました。これもICT社会の恩恵でしょうね。
でも、案外このナビに振り回されているということもないでしょうか。カーナビに頼りきって、思わぬ落し穴に迷い込んだ人も大勢いるようです。たまには人間力というナビの活用も、大切なような気もします。ナビでの方向は定まっても、その先にある結果については、結局自分自身の判断に委ねることになるのでしょう。
特選句はちょっと教訓的ですが、幸せは人生迷いながら探し求め、つかむもの、という示唆に富んだ作品で、数多い投句の中で異彩を放ったものでした。
「世渡りは神より先のナビ頼み」 立川談幸

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編集部より |