IT川柳
お題は「スキャン」
十二月の特選
- 手形取り昔は墨が今スキャン(まこっちゃん)
十二月の名作・迷作選
- あー脳にスキャンしたいな暗記物(PON5)
- 引き出しのセピアの写真が蘇る(かぐや姫)
- スキャンする機械に勝るDNA(しげのり)
- 買い言葉妻にすっかりスキャンされ(ふうすい)
- スキャンしてうちの息子が画家デビュー(ラコック)
- 同窓会誰が誰だかするスキャン(駒ヶ根権兵衛)
- スキャナーが昭和を今に連れてくる(ごに吟)
- 弁解を妻の視線がスキャンする(清詩薫)
- スキャンして机の上が広くなり(爪楊枝)
- この舌でスキャンをしたい店の味(汐海岬)




このIT川柳の選を長きにわたり担当させていただいていますが、テーマによって作品作りの難易度が違うようですね。今回のお題「スキャン」は、どうでしたか?ちょっと骨が折れたのではないでしょうか。「スキャン」という言葉を広く捉えての作品作りに苦労された様子がうかがえますが、皆さん果敢に挑んでくださり、多くの作品を頂きましたことに感謝、感謝です。
実際にはスキャンできない物事をスキャンしてみたらどうなるだろうかと想像を働かせての作品をたくさん頂戴致しました。やはり、どんなにスキャンの技術や精度が上がろうとも、人の心だけは読み取ることはできません。しかし、そこが人間の面白いところであり、救いでもあります。妻というスキャナーに恐怖を覚えているというのも人間臭くていいですね。
昔から人の望むこと、考えることはほとんど変わりません。それらをその時代、その時代の文明で解決しているだけです。特選句は、その今昔をスキャンというテーマで「あー、なるほどなあ」と思い当たらせてくれる作品。新旧の時代の対比の妙ですね。
「スキャンして我が振り直せデータ化」 立川談幸

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編集部より |