「ニューノーマル時代に成長しつづける企業を応援」をテーマに、2021年11月24~26日の3日間、イベント「GRANDIT DAYS」(※外部ページへ遷移) が開催されました。ERPパッケージGRANDITの話題に加え、急速な環境変化のなか、新しい働き方に対応し、生産性を高めるための取り組みが数多く発表されました。
セミナーに登壇したNTTコムウェアの鋤柄は、DXを促進していくために既存の業務や仕組みを変革していくことの重要性と、GRANDITとSalesforceを中心に据え、業務を補完するパッケージ/SaaS型サービスを的確な機能配置で利用し、DXを実現する方法を紹介しました。
DXを促進させるために必要な要素は、新しい働き方とも密接に関わる
DX(Digital Transformation)とは「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という考え方であり、「デジタルによる変容」と言い換えることができる。
したがって、業務をただIT化することだけではDXが叶うことはなく、現状の業務や組織、プロセス、そして文化の変革が伴って初めて、本来のDXが実現できると言える。
実際にDXを推進していく上で基本となるのが、パッケージやSaaS型サービスを標準のまま導入することだ。「業務をシステムに合わせるのではなく、システムを業務に合わせたい」「今の仕組みをベースにシステムを再構築したい」といった声を聞くこともまだまだ多い。
しかし、世の中の環境変化やビジネス変化に柔軟に対応していくためには、業務の断捨離やスリム化に取り組み、業務をパッケージやSaaS型サービス標準に合わせていくことが必要である。また、パッケージで不足しているところは他のSaaS型サービスで補完することになるが、その際は、領域を決めて機能を最適に配置することがポイントになる。
さらに、コロナ禍の影響で社会は大きく変化し、特に新しい働き方が浸透した。業務は決められた社屋の中だけで行うのではなく、自宅やシェアオフィスなどエリアフリーでできることが求められ、多くの企業はフレックスタイム制などいくつもの就労形態を認めるようになった。こうした新しい働き方の実現のためにも、機能を最適に配置することが必要である。
標準パッケージのみで成立する業務プロセスとは
GRANDITはヒト・モノ・カネを最適管理する純国産の中堅・大企業向けのERPパッケージであり、業務の統合度や操作の一貫性に優れている。また、新バージョンが随時提供されることで環境の変化にも強い。さらに、追加したい機能がある場合、他のSaaS型サービスやパッケージを連携させることが容易なことも特長である。
顧客管理(CRM)プラットフォームとして世界最大級のシェアを誇るSalesforceとも親和性が高く、APIでマスタや実績情報、受注情報をシステム間で相互に連携させることができる。これにより、GRANDIT側の統合データベースにデータを集約し、すべてのデータが参照可能になる。
例えば、マスタ情報をSalesforceとGRANDITで連携しておくことで、業務の流れに合わせて、それぞれの機能を使い分けすることが可能だ。商談や見積の時点ではSalesforceをメインで活用し、受注時にGRANDITに連携する。そして、受注後の出荷、売上計上はGRANDITをメインとして運用し、出荷や売上の実績データだけをSalesforceに連携するという使い方ができるようになる。
GRANDITがカバーできない部分については、GRANDITに手を入れて独自の仕組みを作り込むのではなく、Salesforceの有用な部分に担わせることで、標準パッケージの機能のみで必要な業務プロセスを実現する。
このように業務プロセスのなかで求められる機能を明らかにし、パッケージやSaaS型サービスの機能配置を考え、最適な仕組みを組み合わせて実現することはDXを推進する上で大きなポイントになる。
新しい働き方への最適化で、データによるビジネスモデルの変革の実現へ
新しい働き方への対応には、GRANDITやSalesforceに加えて、エリアフリーでの営業活動報告や多様な就労形態の管理を実現していくことも必要である。
現在では当然のようになったリモートを前提とする働き方においては、情報共有をスムーズに、そしてスマートに行うことがDX推進のポイントになる。
SARABOT(サラボット)はSalesforceに情報を入力できるチャットボットソリューションである。使い慣れたビジネスチャットの画面上からチャットボットと会話することで活動内容を登録して上司と共有するなど、操作を簡略化することでSalesforceをさらに活用しやすくするサービスである。
SARABOTはスマートデバイスで使用することが前提であり、それによりエリアフリーで報告できることを可能にしている。お客様訪問後の移動時間で活動報告ができるため、営業活動中のタイムロスを減らし、本来業務に使える時間を増やすことができる。
チャットボットを利用することで、ユーザーは会話に沿って情報を入力するだけで簡単に報告が可能であり、報告した情報はそのままSalesforceに登録される。報告内容は上司に自動で通知・共有されるため、報告業務にかかるストレスを軽減し時間の短縮ができる。
このように社員が利用するUIはSARABOT、営業支援はSalesforce、基幹部分はGRANDITとするのが、新しい働き方を実現するための最適な機能配置の一つである。
また、SARABOTによって、Salesforceへのデータ登録が簡略化されるので、生きたデータがたまりやすくなり、GRANDITを核としたDXにおいて本来行うべき大規模なデータ活用、言い換えれば、データによるビジネスモデルの変革が実現できるようになる。
新しい働き方への対応ではもう1つ、勤怠管理もクラウド上で行うのが望ましい。今回取り上げられたfollow(フォロー)では固定時間制、フレックスタイム制、裁量労働制、シフト制勤務など、さまざまな勤務形態に対応している。
エリアフリーでスマートデバイスから利用でき、SARABOTと同じようにチャットボットで会話する形式でも利用可能なため、心理的、作業的に負担が少ない簡易な操作で勤怠登録ができる。
DX促進には、GRANDIT × Salesforceを中心に、他サービスの機能配置まで捉えるべき
繰り返しになるが、DX促進のため最初にやるべきことは、現行業務を見直し、改革することだ。業務改革の推進そのものが、結果としてパッケージやSaaS型サービス標準に業務を合わせることに繋がっていく。ただし、全てを包含するパッケージは無い。現実的には、不足している業務は他のサービスや仕組みを組み合わせることで補完することが肝要である。
例として、GRANDITを基幹システムとして中心に据えた場合は、他サービスとの疎結合が容易に可能である。まずは業務の断捨離・スリム化を実施してGRANDITでカバーできる業務の標準化を進める。その上でGRANDITだけでは実現できない業務や機能も、真のDXの実現のために、活用領域を明確にし、他のサービスや仕組みで補完し、最適な機能配置を行っていく。
そして、さらにもう一歩、新しい働き方への対応をよりユーザーに使いやすい形で実現できるサービスを取り入れ、組み合わせることで、これまで以上に企業全体の業務改善を進めることができるようになる。つまり、DXを促進していくことができると言えるだろう。
※本セミナーを含む「GRANDIT DAYS LIVE 2021」のオンデマンド配信はこちらからご覧ください。(GRANDIT株式会社のHPに遷移します)
2022/1/18
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