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画像認識AI「Deeptector®」 四国電力送配電株式会社様
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四国電力送配電株式会社(以下、四国電力送配電)様は、四国の電気の安定供給を支えるために、電柱や電線などの配電設備の巡視を日々行っている。あまり知られていないが、配電設備上の「カラスの巣」は、針金やハンガーなど金属が用いられることがあり、時に停電を引き起こす原因となることから、その発見と撤去は重要な業務だ。四国電力送配電 通信システム部は、安心・安全なまちづくりへ貢献するアプローチの1つとして、NTTコムウェアが提供する画像認識AI「Deeptector®」を活用した「営巣検知サービス」によって業務の効率化に取り組んでいる。

導入ポイント 1

古参の画像認識AIサービスとしての豊富なノウハウ

導入ポイント 2

既存業務に寄り添って開発されたAI判定パターン

導入ポイント 3

重要インフラ設備にITを活用する重みの理解と確かな経験

年間2万個以上のカラスの営巣が配電設備を脅かす原因に

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重要な社会インフラとして24時間365日管理運用されている配電設備に、カラスの巣作り(営巣)が与える影響は想像するよりはるかに大きい。
毎春2月~6月にかけて、四国4県でのカラスの営巣による停電は約10~30件にもなることがある。原因はカラスが電柱上部の高圧線付近に金属製のハンガーや濡れた木の枝など、電気を通す素材を積み上げて巣を作ることだ。
対処は人の目による巡視、発見、早期撤去である。撤去数は実に年間2万個以上。営巣が行われる春の数カ月でこれだけの営巣を発見し撤去しなければならない。

四国電力送配電は街中で見かける電柱など四国の非常に広い範囲に配電設備を持つ(配電部門が管理運用)。配電設備は台風や落雷といった自然災害によって不具合を起こし、電気を送ることができなくなる場合があるため配電部門が即座に復旧活動に入れるようにして電気と生活を守っている。

営巣巡視業務は春の引っ越しシーズンにやってくる

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松岡 正之氏
四国電力送配電株式会社
通信システム部

「カラスの営巣巡視業務」を担当するのは四国電力送配電の配電部門が編成する巡視班だ。巡視班は主に車で2名体制で担当エリアを巡視する。巡視では繰り返し同じ場所に営巣するカラスの習性から重点エリアを設定しているが、停電の未然防止のために営巣のピーク時期にはすべてのエリアの一斉巡視も定期的に行う。巡視班は、発見した営巣の電柱位置などを記録し、事務所に報告する。その内容を元に速やかに撤去工事を行う。
巡視班の人員は高度な技術を用いて配電設備の保守業務を担当している。引っ越しに伴う電気の使用開始が増える春に営巣巡視業務が加わることになるが、電気の安定供給のためには巡視を緩めることはできない。

「自然の営みへの対応のため巡視業務は避けることはできませんが、繁忙期として業務が輻輳するタイミングであり、長期にわたって『カラスの営巣巡視業務』にかかる業務負担の大きさに苦労してきたことは間違いありません」(松岡正之氏 通信システム部)

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営巣巡視業務の課題

Deeptectorなら安心して重要インフラに導入できる

四国電力送配電通信システム部とNTTコムウェアによって、「カラスの営巣巡視業務」をAIで自動化・省力化し、業務負担を軽減する取り組みが始まったのは2018年。

「NTTコムウェアをパートナーに迎えたのは、私たちが抱える課題とその重みを理解した上で、課題解決に向けた最も具体的なシステム提案があり、さらに道路状態の異常検知などで優れた実績のあるAIがあったからです。AIを活用したシステムの導入で大きな効果が期待できると判断しました」(松岡氏)

NTTコムウェアはAIに長年取り組み、特に画像認識の分野で技術を磨いてきた。その技術を応用した監視・検閲、保全・点検、製品検査サービスの実績も豊富だ。

「現場での実証実験では、Deeptectorは映像に映っているカラスの営巣を取りこぼさずに認識する能力(再現率)が高く、期待を大きく上回る検知精度であったため重要インフラである配電設備への巡視に導入する上で大きなポイントになりました」(松岡氏)

使えるAIを育てるために両社が協力

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こうしたAIの活用には、営巣の写真のような画像認識のための学習データがまず必要になる。しかし、AI判定の学習データになり得る営巣写真や映像を現場で集めるには、春の限定された期間内に、屋外の広範囲に点在する配電線(電柱)から情報を得るしかない。
短期間でより多くの学習データを集めるため、春に両社で現地に出向き、足を使ったデータの収集を行った。さらにオフシーズンは訓練用の電柱を使い、撮影するカメラの角度などを検証。それは使えるAIを育てるのに大切なアプローチだった。

加えて、巡視業務に適したAIの実装も着実な道のりを歩んだ。
「より使いやすくするため配電部門と共にいろいろな要望を出し、NTTコムウェアにシステムとして必要な機能を短期間で開発してもらいました。具体的には、走行しながら営巣をリアルタイムで検知できる極めて独自の機能が実現できたことも良かったポイントだと思っています」(松岡氏)

次ページ 「営巣検知サービス」導入で何が変わるのか

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