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道路不具合検出システムをAI技術で実現
─専用機材不要で人の目視確認に近い道路不具合検出が可能─

お知らせ 2016.11.30

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 エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:海野 忍、以下 NTTコムウェア)は、市販のビデオカメラを活用した道路不具合検出システムを開発しました。
 本システムは、高価な専用車や機材を必要としていた道路不具合の検出を、一般車と市販のビデオカメラなどの安価な機材を利用して実現可能とするものです。車載カメラの画像認識にAI技術(ディープラーニング*技術)を適用することで、目視確認に近い道路不具合の検出が可能となりました。

*ディープラーニング:人間の脳(ニューロンのシナプス結合)を模擬したニューラルネットワークを使う学習手法。



1.背景

 近年、ひび割れやポットホールといった道路の不具合による事故が問題となっており、路面状況の事前調査や補修の効率化、補修計画に基づいた予防保全が求められています。こうした課題に対し、従来の対策は、高価な専用車や機材を用いた路面の調査や、道路管理者の目視による巡視点検など、道路管理者に費用や稼働の面で負担がかかっていました。

2.道路不具合検出システムの特長

(1) 必要機材が安価で導入しやすい
 高速道路や国道などで用いられている路面調査システムは、高価な専用車や機材を利用したもので、費用面で導入が容易ではありませんでした。本システムは一般車に市販のビデオカメラを搭載し、走行するだけで道路不具合の検出が可能なため、導入が容易となります。

(2) ディープラーニング技術を活用した画像認識技術により、人の目視確認に近い道路不具合検出が可能
 一般的に道路不具合は形状が多様なため、従来のルールベースの画像認識技術では検出が困難でしたが、今回、ディープラーニング技術を用いて、人が目視確認した画像を教師データとして学習しているため、道路管理者の目視確認に近い道路不具合検出が可能になります。

(3) 可視化機能により、道路状況を俯瞰・把握しやすい
 GPS機器を併用することにより、道路不具合を位置情報に紐付けて検出し、電子地図上で道路不具合箇所の静止画や動画を確認することが可能です。また、本システムを自治体の道路台帳システムと連携させることで、道路不具合情報と補修履歴等の台帳情報を画面上であわせて確認でき、補修計画や住民通報対応などの道路維持管理業務の効率化が可能です。

3.今後の予定

 今後、本システムを用いて、ALSOK(綜合警備保障株式会社、本社:東京都港区、代表取締役社長 青山 幸恭)と連携して一部自治体向けに実証実験を実施し、道路不具合検出の更なる性能向上や、可視化機能のユーザ評価を行います。実証実験の結果を踏まえ、2017年度のサービス提供開始を目指します。また、本システムの技術を応用して社会インフラ維持管理の効率化・向上を行い、安心・安全な社会作りに貢献して参ります。