今月の書籍
レビュワー:池澤 あやか
- 『マイクロサービスアーキテクチャ』
- 『Kubernetes 完全ガイド』
急激な変化に対応する新しい切り札「マイクロサービス」の概要
私事ですが、つい最近転職しました。わたしが新しく所属する部署では、マイクロサービス開発が主体になりそうで、これを機に、より詳しく学ぼうと思い、手にとったのがこの書籍です。
この本は、マイクロサービスの概要をさらっています。マイクロサービスとはなにか、マイクロサービスを構成する原則、どういったアーキテクチャがマイクロサービスにおいてベストプラクティスとされているのかについて、まとめられています。
マイクロサービスは、協調して動作する小規模で自律的なサービスです。気軽にサービスの改善ができるように、コードベースを小さく、疎結合に保ち、コードの定期的な統合やデプロイの自動化に重点が置かれています。監視や負荷分散をしやすいよう、分散化されたアーキテクチャが採用されています。
また、技術的要素だけでなく、チームのコミュニケーション構造もシステム設計に影響を与えるとされ、マイクロサービス開発に適したチーム構成についても言及しています。
概要が網羅的によくまとまっているので、わたしと同じようにマイクロサービスを詳しく学ぼうと思ったときに、まずはじめに手にとる本として非常におすすめです。
『マイクロサービスアーキテクチャ』
著者:Sam Newman
監訳:佐藤 直生
翻訳:木下 哲也
出版社:オライリー・ジャパン
「難しい」と言われがちなKubernetesをわかりやすく解説
前職は Docker Compose を使っていたのですが、現職は Kubernetes がメインになるということで、少しずつ学び始めています。Dockerを利用すると、コンテナ化されたアプリケーションを簡単にデプロイすることができますが、コンテナの運用には他にも課題があります。
Kubernetes は、それらの課題、複数 Node の管理やスケーリング、監視などを自動化し、シンプルなオペレーションを実現するためのプラットフォームです。
この本は、わたしの部署内での勉強会でも使われている書籍で、Kubernetes やその周辺テクノロジーについて網羅的に書かれています。Kubernetes の認定資格 CKA/CKAD の取得にも役立つそうです(わたしもこれから頑張ります……!)。
本の中では、各機能の説明とともに、実際の構築コマンドも書かれており、実際にクラウド上や自分のローカル環境に構築することができます。 わたしも、今日までにひとまずざっと一周読んで、まずは概要を学べたので、明日からは少しずつ実践したり、勉強会を通して知識を仲間うちで共有したりして、より知識を深めていきたいと思います。
今月のレビュワー
池澤あやか (いけざわ・あやか)
タレント、ソフトウェアエンジニア。1991年7月28日 大分県に生まれ、東京都で育つ。慶應義塾大学SFC環境情報学部卒業。2006年、第6回東宝シンデレラで審査員特別賞を受賞し、芸能活動を開始。現在は、情報番組やバラエティ番組への出演やさまざまなメディア媒体への寄稿を行うほか、ソフトウェアエンジニアとしてアプリケーションの開発に携わっている。著書に『小学生から楽しむ Rubyプログラミング』(日経BP社)、『アイデアを実現させる最高のツール プログラミングをはじめよう』(大和書房)がある。
2022/08/09
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