テクノロジーの進化と働き方の多様性、そして何よりも、それらを受け入れて活用する土壌が急速に浸透した2020年、「デジタルワークプレイス」の可能性がさらに広がりました。
NTTコムウェアは、日経産業新聞フォーラム バーチャル版「働き方改革2020」において、NTTコムウェアが考える「デジタルワークプレイス」の利便性だけではなく、セキュリティーとの両立についても講演し、正しい活用の方法を訴えました。
● -前半- デジタルだからこそ“より繋がりやすい”現場のためのデジタルワークプレイス
● -後半- 会社との“NWの壁”が無くても問題にならない、新たセキュリティー対策
ポイント 1
- 統合環境で
煩わしいをなくす
ポイント 2
- オンプレミス、クラウドを
隔てない管理
ポイント 3
- 個人と組織を繋ぐ
新たな肝
本フォーラムは2020年5月26日から6月25日にかけて日経イベント&セミナーのWebサイト上で開催されました。
新時代のデジタルワークプレイス
~あらゆる煩わしいから解放し、今までよりもチームを一つに~
時間と場所に縛られない働き方を可能にするモバイル活用において、コラボレーションツールの導入は不可欠です。ビジネスインキュベーション本部 統括課長の島田は、企業で使用しているシステムよりコンシューマー向けサービスのほうが使い勝手がよいという声が多く聞かれると指摘します。
そうした現状に対し、島田は、社員同士のコミュニケーションやタスク管理、情報共有などに活用できる法人向けモバイルアプリケーション「シャナイン®」を紹介。コンシューマー寄りで利便性の高いUI/UXを実装しながら、NTTコムウェアが培ってきた技術と新しい技術を融合して、コンシューマーアプリをそのまま使うのとは異なる、企業が必要とするガバナンスやセキュリティーの課題を解決するサービスとして提供していく方針であると説明しました。
また、昨今はコラボレーションツールを業務に落とし込んで使いたいという新たなニーズが発生していると指摘します。例えば、チャットを使った在庫確認やレポート作成、在宅勤務を想定したチームワーク醸成などです。これらはまさにデジタルトランスフォーメーションに繋がります。そして、これらのニーズを解決するのが、AI/ChatBotであると事例を挙げて解説しました。
島田は、コラボレーションツールとAI/ChatBotを介して、業務システムを繋げてデジタルトランスフォーメーションを実現する環境を「デジタルワークプレイス」と説明します。
デジタルワークプレイスにはさまざまな定義がありますが、NTTコムウェアが考えるデジタルワークプレイスとは、「コミュニケーションと業務管理をつなげる『シームレス・コラボレーション』と、あらゆる情報の“探す”をアシスタントする『おまかせアシスタント』の2つから成ると定義しています。
まず、シームレス・コラボレーションとは、「One For All~一つの統合環境でチームを一つにする」こと。つまり、一つの環境で「個人のワーク」と「チームや組織のワーク」を繋げ、蓄積したデータをナレッジとして活用して、ストレスなくデジタルで一つに繋がることだと説明します。さらにシームレス・コラボレーションには、「AI-Powered Stress-Free Workspace ― あらゆる"煩わしい"をなくす」こと。つまり、雑務や定型業務、コミュニケーションの代行といったもう一つの側面もあるといいます。
次に、おまかせアシスタントとは、仕事上で時間でもスキルでも意外と大きなウェイトを占める「情報を探す」という作業をAI/ChatBotがアシストすることで、その検索ログの活用法として、「ベテランの検索アクションを、ナレッジとして暗黙知の形式知化することもできる」と新たな付加価値を説明しました。
最後に島田は、デジタルワークプレイスを実現するサービスの拡充に努め、お客さまに単一のサービスでも業務全体としても活用頂ける形でご提供していくと締めくくりました。
社内NWの壁はいつか崩される、ゼロトラストのセキュリティー対策
~「SmartCloud® IAMソリューション」で課題解決~
デジタルワークプレイスの一番の課題は「利便性と企業のセキュリティー対策を、いかに両立するか」であり、新しい技術やツールの活用と同じように、強固なセキュリティー対策にも同時に取り組むことが重要です。
ネットワーククラウド事業本部担当課長の野呂は、企業の重要な情報資産を悪意あるユーザーから守るためのセキュリティー対策について紹介しました。
これまで企業の情報システムは、トラステッドな社内ネットワークにおける物理セキュリティーや端末セキュリティーの壁により、外部の不正アクセスから守られてきましたが、「こうした境界防御に基づく保護システムは限界を迎えている」といいます。
現在ではネットワークの境界線がない、「いつでも」「どこからでも」「さまざまなデバイス」を利用してアクセスできる状況だと考える必要があり、脅威者による不正アクセスのリスクにいつでも直面していると理解しなければなりません。
不正アクセスを防ぐためには、すべてのアクセスが脅威者からのアクセスであることを前提とする「ゼロトラスト」の考え方に基づき、常にユーザー認証を行う必要があります。ゼロトラストにおいてセキュリティー上の重要な役割を果たすIAM(Identity and Access Management)は、情報システムなど業務上必要なアクセスについて、誰にどのような権限でアクセスさせるか、どのような手段でアクセスさせるか、トータルに管理と制御を行います。
野呂は「ワークスタイルの変化によるデジタルトランスフォーメーションに合わせて、情報システムのID・権限管理、アクセス制御もトランスフォーメーションすることが必要」と訴えました。
まず、“不要なアカウントを作成させない”ようにしたり、“過度なアクセス権を排除”することに加えて、「アカウントと権限の設定を定期的に確認し、アクセス権限の棚卸しが確実にできる仕組みへの変化が必要」だといいます。また、“アクセス経路を限定”し、アカウントの振る舞いによって変わる“セキュリティーリスクに応じたユーザー認証”を行うことやアカウント情報の漏えいリスクを最小限に抑えるためにIDとパスワードを開示しない運用にすることが必要と説明しました。
NTTコムウェアの「SmartCloud® IAMソリューション」は、こうしたセキュリティーの課題を解決し、特定のクラウド上のシステムだけではなく、オンプレミスも含めてすべての環境にハイブリッドに対応するトータルなIAMソリューションです。
IDやアクセス権限の管理からアクセス制御までを一貫して管理・制御することで、複雑化した手続きや管理業務は効率化され、ユーザーが情報システムへアクセスしやすくなることで、社員の多様な働き方がセキュリティー面でも安全に実現可能になります。
野呂は「個人とチームを繋ぐデジタルワークプレイスの可能性が広がっています。業務システムのフロントであり、さまざまなツール群の集まりとなるデジタルワークプレイスの実現には、利便性とセキュリティーの両立が肝要です」と締めくくりました。
2020/07/01
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