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TM Forum Digital Transformation World 2022参加レポート
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通信における業務オペレーション領域の標準化団体TM Forumが主催する「Digital Transformation World 2022」が、3年ぶりのF2F(フェーストゥフェース)機会として、デンマーク・コペンハーゲンで2022年9月20日(火)~22日(木)に開催されました。

TM Forumは、1988年に設立され、通信・IT業界における世界のリーディングカンパニーを含む850社以上が加盟する、テレコムマネージメント分野で最大の国際標準化団体です。9万人以上の技術者がオペレーション分野の業界標準を検討し、相互接続性の推進をめざしており、昨今では、キャリアとサプライヤとの協業による、他産業との連携に向けたビジネス/技術の検討及び検証を積極的に推進しています。

今回は、TM Forumとして年間を通じて最大規模となる会合で、コロナ禍前と同様に、世界90ヶ国から3,000名超が会場に集いました。これまでオンライン等で欧米亜のキャリア・サプライヤと検討してきた内容を踏まえた講演やIOWN関連技術を含む検証デモ出展を目的に、当社から6名(NTTグループ全体で25名)が参加しました。

2年以上の間、オンラインでの定例検討を継続してきたため、初のF2Fとなったメンバーも多く、挨拶の握手を交わすや否や、「実在したんだ」「思ったより背が高い」等の会話も飛び交い、欧州でのBack to normalを奇妙なやり取りと共に実感しました。

開会式では、TM ForumのCEOから「Hyperscaler(ハイパースケーラー)は、キャリアの競合や脅威ではなく、顧客やパートナーの位置づけ」との紹介があり、さまざまな講演でも、通信業界の変革においてHyperscalerは重要との見解が示されました。これまでのMicrosoft・AWSと並び、2022年にTM Forumに加盟したGoogleも加わり、Hyperscalerがキャリアと一緒に登壇し、相互の強みを活かした協業の重要性を訴えていました。

NTTグループからは、ドコモ・NTT研究所によるOpenRAN・Intent関連技術の講演に加え、当社執行役員の松尾が「The 3 Cs to drive growth – co-innovating, co-creating and collaborating」をテーマに、TELUSとBeyond Nowとのパネルディスカッションに登壇しました。5G網で提供されるMEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)周辺でのB2B2Xモデルにおけるビジネス機会に着目し、当社プロダクトであるDeeptector®を切り口としてMarketplaceを通じた他産業との協業の可能性を議論しました。製造業を始めとした適用事例や「バーガーの銘柄を見分ける事ができるAI分析力」を紹介する事で聴衆の関心を集めたり、Deeptector®の成熟度を訴求することでB2B2Xモデルでの適用性の高さを評価するコメントを受けたりしました。

パネルディスカッション模様

パネルディスカッション模様

グローバルキャリア・サプライヤとの検証プロジェクト(Catalyst)においては、40プロジェクト(約150社)が参加し、TM Forum標準等を活用した技術/ビジネス検討に基づく実装デモを出展する中、当社では、Digital MarketplaceとAutonomous Networks(自律的ネットワーク管理)をテーマとした2プロジェクトに参加しました。

Digital Marketplaceでは、MEC周辺でのビジネス機会に着目し、MEC as a Second Horizontalという通信を活用した産業横断での共通機能の検討を進めてきました。Smart Manufacturingのデモでは、複数工場拠点での自動車部品の品質チェックにDeeptector®(AI画像分析)を活用するイメージを紹介しました。実装においては、サプライヤの製品間をTMF標準APIで連携させる事で、オンデマンドでの機能提供の自動化を実現すると共に、Deeptector®を活用する事で、遠隔操作による自動品質チェックや、同一部品の不具合検知結果の統合による品質チェックの精度向上等、Deeptector®の実行可能性を示しました。

Autonomous Networksでは、人の曖昧な意図(Intent)を踏まえた高度な自動化=自律化によるサービスの実現に着目し、顧客の意図を抽出・分解する技術、それらに応じて自律化を図る技術について、プロジェクトのメンバーと共に議論を重ねてきました。SmartStadiumのデモでは、観客であるファンやスタジアム運営者の意図に応じた映像配信やネットワークを提供するイメージを紹介しました。NTTアクセスサービスシステム研究所で取り組むIntent抽出技術(Mintent®の構成技術)を基に、弊社のDeeptector®やIOWN関連技術によって、顧客の要望を踏まえた、柔軟で非常に電力効率の高いネットワーク提供を具現化しました。

閉会式ではCatalyst Awardsが発表され、惜しくも受賞は逃したものの、参加2プロジェクトを合わせて5部門でファイナリストに選定され、参加各社のメンバーと共に、1年に渡るオンラインでの検討を振り返りつつ、手ごたえを確認し合いました。

これらのプロジェクトにおいてグローバルキャリア・サプライヤとの検討/検証に取り組む事は、実装に基づくコンセプトの実現性や機能連携の確認といった技術面に加えて、ビジネス観点でのユースケース深堀や実ビジネスに向けたリレーションの構築など、ビジネス面でも今後の広がりとなる材料を得られる非常に貴重な機会となっています。

今後は、プロジェクトのメンバー企業との継続的な取り組みとして、実装の成熟度を高めて行く事と並行し、具体的な他産業サービス提供者をプロジェクトに加え、MEC領域におけるビジネス機会の深堀を進めていく予定です。

Deeptector®出展模様

Deeptector®出展模様

IOWN関連技術出展模様

IOWN関連技術出展模様

Catalyst Awards Finalists

Catalyst Awards Finalists

※ 「Deeptector」はNTTコムウェア株式会社の登録商標です。
※ 「Mintent」は日本電信電話株式会社の登録商標です。

2023/1/19

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