COMWARE PLUS プラス・サムシングを大切なお客さまへ

第4回AI・人工知能EXPO【秋】 進化する画像認識AI「Deeptector®」
第4回AI・人工知能EXPO【秋】 進化する画像認識AI「Deeptector®」
ポスト
        
        

この記事のPDFをダウンロードする

2017年の発売以来、トンネルや建物などの劣化診断、製造業における外観検査などの分野で高い評価を得ている「Deeptector®」(ディープテクター)。10月25〜27日に幕張メッセで開催された「第4回AI・人工知能EXPO【秋】」での出展模様を紹介する。

Deeptector®の特長

Deeptector®は、深層学習(Deep Learning)を利用した画像認識AIであり、点検や検査などにおける人の「目」を代替することで、お客さまが抱える課題を解決する。製造現場における検品作業・インフラ構造物の保守点検作業の自動化などの分野で適用が進んでいる。

1つ目の展示では、Deeptector®の特長が紹介されていた(下図参照)。その特長の1つであるアナログメーター読み取り型の判定に関するデモンストレーションについては後述する。

Deeptector®の判定パターン

2つ目の展示では、HTTPやRESTインターフェースに非対応である電気信号ベースのFA機器を、Deeptector®のAI判定結果で制御できることが紹介された。例えば、製品の完成度合いをカメラで撮影し、AIが完成と判定した場合に所定の動作を実行させることができるという。人が関与することなく業務の継続・進行が可能となり、生産性を向上できると説明した。

3つ目の展示では、早期からAIビジネスに取り組んできた実績・ノウハウを活かし、業務改善のための手段を丸ごと提供していることを紹介。既存の画像検査機や撮影機材がある場合は、それらをできる限り活用できる方法を模索し、提案しているという。また、既存の機材はなく目視検査で対応している場合は、カメラや産業用照明などの機種選びから、設置方法、判定結果の取り扱いまで、トータルで提案が可能だと説明した。

Deeptector®の活用例:アナログメーター読み取り

ブースでは、Deeptector®の活用例としてアナログメーターの実機デモンストレーションが行われた。Deeptector®にはメーターリーディング機能があり、FA機器などと密接に連携するアナログメーターには一切手を入れることなく、メーター値の読み取り業務の自動化及びデータ化が可能だ。今回、市販のWebカメラやスマートフォン、ドローンやロボットに取り付けたカメラなどからもメーター値が読み取れるようにアップデートされたという。また、1台のカメラで複数のアナログメーターを読み取ったり、異なる種類のアナログメーターを同時に読み取ったりといった機能も初披露された。

Deeptector®出展の様子
Deeptector®出展の様子

アナログメーターの商用への導入事例として、メーター閾値によるアラーム発信といった、メーター値による設備の自動制御や設備の稼働状態の分析など、メーター値をデジタルデータとして蓄積して意思決定に活用していることが紹介された。

Deeptector®本来の使い方を発展させた応用例として、作業現場の作業状況を把握するデモンストレーション動画が紹介された。この応用例は「データ分析」が鍵となっている。

Deeptector®の応用例①:梱包・運搬作業

1つ目は、段ボールの梱包・運搬作業だ。

デモ概要

Deeptector®が監視カメラの動画から梱包エリアに置かれた段ボールを「物体検知」し、梱包エリアから出ると「梱包数」が減らされ「運搬数」にカウントされる。段ボールが在庫エリアに置かれると「運搬数」が減らされ「在庫数」にカウントされる。このように段ボールの状態が時系列に収集できるため、さまざまな分析が可能になる。例えば、「梱包時間」や「運搬時間」といった工程毎の作業時間だけでなく、1回目、2回目と作業の経過によって変化する工程毎の「作業時間の変化」も集計可能である。さらに作業員毎の「作業時間のばらつき」も把握できるため、業務効率化するための分析用データとして活用できる。

Deeptector®デモ画面
Deeptector®デモ画面

Deeptector®の応用例②:盛付作業

2つ目は、お弁当の盛付作業だ。

デモ概要

Deeptector®は、盛付作業の動画から各食品を検出し、検出時刻から各作業員の「作業スピード」や作業員毎の「待ち時間」を把握する。さらに「作業の平均時間は作業員Aが長い」「作業のばらつきは作業員Bが大きい」といった各作業員の状況を統計的に把握・分析できるため、全体作業の効率化や改善に役立てることができると説明した。

Deeptector®デモ画面
Deeptector®デモ画面

他にも、組立工程として、組立部品や組立品の検知間隔から「生産速度」「完成速度」を把握したり、組立部品の滞留状況で「作業員の習熟度」を把握したりするなど、生産性向上に寄与するための具体例が数多く示された。

Deeptector®は、2023年9月、TMForum(通信における業務オペレーション領域の標準化団体)にて大きなテーマに対して企業が一緒にソリューションを模索するMoonshot Catalyst活動のうち、メタバースの可能性を追求するThe Metaverse Challenge領域でAwardを受賞し、海外でも評価されているという。

「ChatGPT」など生成AIの普及に伴い、AIへの期待がますます高まる中、Deeptector®が進化し続け、お客さまのDXやAI推進の一助になることが期待される。

(ジャーナリスト:渡辺史敏)

2023/11/27

  • ※ 商品およびサービスの内容は、予告なく変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
  • ※ 「Deeptector」はNTTコムウェア株式会社の登録商標です。
  • ※ その他、記載されている社名、商品名などは、各社の商標または登録商標である場合があります。

この記事のPDFをダウンロードする

ポスト

事例紹介

スマートフォン用リンク

エバンジェリストが語るICTの未来

スマートフォン用リンク

ページトップへ

トップへ