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ITジャーナリストや現役書店員、編集者が選ぶ デジタル人材のためのブックレビュー 
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今月の書籍

レビュワー:田中 沙弥果/村田 華蓮

  • 『AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出]』
  • 『Python実践データ分析100本ノック』

データサイエンティストを志す全ての人に
顧客対応から求職まで仕事の全容を赤裸々に語った必読書

 本書は、データ分析に関わるプロジェクトの入口から出口まで広範囲に網羅されている一冊だ。学生や実務経験のない社会人でも、データサイエンティストになるためのスキルセットや、キャリアパスに関する情報を得ることができる。また、私のような教育関係者で、学生のデータサイエンス教育に携わる方にとっても、AI・データ分析プロジェクトの現場の実務をイメージするのに最適だ。

 業界の現実があけすけに語られており、嘘偽りない実態を知ることができる。求人の見方から副業やフリーランスで仕事をするときのノウハウまで書かれており、データサイエンティストのキャリアを描こうとしている方には必読と言ってもいいだろう。

 最近、中高生や大学生から「データサイエンスに関連する進路やキャリアに興味がある」と聞くことが多くなったが、データサイエンスの仕事はどのように進めるのかわからない事も多いだろう。実際に周りでデータサイエンティストとして活躍する人がいれば気軽に聞けるかもしれないが、そんな先輩が周囲にいるという人のほうがむしろ少数だろう。AIやデータ分析プロジェクトに関わりたい人は最初に読んでほしい、おすすめの一冊だ。

(レビュワー:田中 沙弥果)

『AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出]』

著者:大城 信晃、マスクド・アナライズ、伊藤 徹郎、小西 哲平、西原 成輝、油井 志郎

出版社:技術評論社

https://gihyo.jp/book/2021/978-4-297-11758-0

データと格闘するエンジニアにも
現場の臨場感さながらに実践経験を積むための入門書

 本書は、読者がデータサイエンティストとして現場で活躍することをめざして作られた一冊である。著者らも強調している通り、まさに"現場で使われるリアルなデータ分析の仕方"について、基礎から実践までの四部構成で記されている。本書が他の入門書と大きく異なる点は、ビジネス現場を想定した顧客の声をもとに例題に取り組んでいく点である。

 第一部では「依頼内容からまず何をするのか?」「データをどのように扱うのか?」という基礎的ながら重要なデータ整形やデータ加工にフォーカスする。
 第二部、第三部では「顧客に求められている結果を出す」ためのデータ分類、解析の手法を実践的に学んでいく。
 第四部では発展編として、いわゆるAIとして括られる画像認識や自然言語処理を扱ったデータ分析を学ぶ。

 なお解析は全てPythonベースとなっている。ある程度Pythonを理解している状態で読み始めることをおすすめするが、Python初学者でも他の入門書や参考書を片手に根気強く学ぶことは可能だろう。私自身、データサイエンティストとして仕事をしているわけではないが、研究開発においても、データを分析したり、データを用いてシステムを処理したりする機会は日々求められている。そんな私にとっても理解しやすくかつ実践的で、すぐに仕事に活かすことができそうな内容が多々あった。データサイエンティストとして活躍したい方はもちろん、日々データと格闘している学生やエンジニアの皆さんにもぜひおすすめしたい一冊だ。

(レビュワー:村田 華蓮)

『Python実践データ分析100本ノック』

著者:下山 輝昌、松田 雄馬、三木 孝行

出版社:秀和システム

https://www.shuwasystem.co.jp/book/9784798058757.html

今月のレビュワー

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田中 沙弥果(たなか・さやか)

一般社団法人Waffle Co-Founder
1991年生まれ。2017年NPO法人みんなのコード入職。文部科学省後援事業に従事したほか、全国20都市以上の教育委員会と連携して、学校の先生がプログラミング教育を授業で実施するための事業を推進。19年にIT分野のジェンダーギャップを埋めるために一般社団法人Waffleを設立。20年には日本政府主催の国際女性会議WAW!2020にユース代表として選出。2020年Forbes JAPAN誌「世界を変える30歳未満30人」に選ばれる。内閣府若者円卓会議委員。経済産業省デジタル関連部活支援の在り方に関する検討会委員。

今月のレビュワー

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村田 華蓮(むらた・かれん)

一般社団法人Waffle 社会人スタッフ
新卒で大手電機メーカーに研究開発エンジニアとして入社。大学、大学院では触覚がテーマの研究室に所属し、主にAR/VR空間での触覚提示について研究。入社以降も、ヒューマンインタラクションの研究開発に従事。また理系学生時代、学生の女性比率が10%であったことをきっかけにジェンダーギャップの問題に興味を持つ。大学での活動を踏まえ、2019年より一般社団法人Waffleにインターン生として参加。現在もプロボノとしてWaffle Campのメンターなどを務める。

2021/10/21

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