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年末年始は、公私ともに宴会、会食の席が多くなるものです。ビジネスパーソンにとっては、仕事上どうしても参加しなくてはならないということもありますが、やはり食べ過ぎ、飲み過ぎは体調を崩してしまいます。忙しい年末年始を快適に過ごしつつ、お付き合いも上手にこなすビジネスパーソンとなるには、どんな方法があるのか、堀さんに伺いました。

堀知佐子(ほり・ちさこ)

堀知佐子さん

管理栄養士、食生活アドバイザー、アンチエイジング料理スペシャリスト。京都の調理師学校で教鞭をとった後、京料亭「菊乃井」の物販事業部責任者を経て、2010年株式会社「菊の井」常務就任。08年アンチエイジングをコンセプトとしたレストラン「リール」を開業。栄養学、調理学の視点から健康と食事の関係を学ぶ料理教室の開催を始め、地方自治体の農水産物商品開発アドバイスや生産加工に関わるサポート等々活動も幅広い。著書に『みそと野菜でアンチエイジング』『100歳まで錆びない栄養レシピ』など多数。

宴会に備えるなら、昼はしっかり食べる

 年末年始の会合は、自分で食べる量や飲む量をコントロールしにくいという点で、普段の食べ過ぎ、飲み過ぎとは異なる部分があります。ビジネスパーソン、それも役職がついて責任のある仕事を任されるようになるほど、お付き合いもあって、なかなか断れない場面が増えてくるものですね。
 そうした夜の会が続く時は、「食べずに済むよう工夫すること」が必要になってきます。一人分の量は懐石料理でも多いので、全部食べると食べ過ぎてしまいます。それでも1ヵ月に1回というのなら、たまのことですからお料理を楽しむことができますが、年末年始はその状態が続きます。そこで、ちょっともったいないことではありますが、体を守るためにはその場ではなるべく食べない」ことが必要になるのです。
 そのためには、逆説的ですが、空腹で宴会に参加しないですむように、昼はしっかりと食べましょう。よく、夜に会合を控えているからといって昼ご飯を軽く済ませる方が多いようですが、これは間違い。「昼は軽く済ませよう」ではなく夜に備えてしっかりと食べて欲しいのです。というのも、空腹だとその場にあるものを食べなくてはなりませんが、会合で出されるメニューがどのようなものか分からないこともあります。例えばそれが揚げ物ばかりだったらどうでしょう? 宴会が続くこの時期、体には辛いメニューです。ですから、「体に悪いかな」というものでお腹を満たすことにならないよう、この時期は夜の会合に空腹で行くのは避けたいのです。

牛乳

 ある売れっ子芸能人の方の例ですが、夜に会食があるという時は、必ず私のレストランに寄って、体に良いものを軽くお腹に入れてから参加されていました。主役なのでお酒は勧められますから、空腹でお酒を飲んで悪酔いしないように、という配慮ですね。
 また、胃を守るために牛乳を飲んでいくという話もありますが、これは良いことだと思います。ただ、カフェオレはコーヒーが刺激物となるのでお勧めしません。牛乳が苦手という人は、コーンスープでもいいですし、あるいはアーモンドチョコレートを1粒でもかまいません。第6回でご紹介した「シャングリラダイエット」のように、脳をだまして満腹中枢を刺激し食欲を抑える効果もありますし、また胃壁を守る油分、抗酸化作用のあるカカオポリフェノールも含まれていてオススメです(ホワイトチョコレートはチョコレートではなく、カカオは含まれていませんので要注意) 。ただし、くれぐれも食べ過ぎないようにしてください。

宴会料理で最も健康的なメニューは鍋!

 健康に関わる点ではないのですが、接待的な会合ではお酒の種類にも気を配りたいものです。「とりあえずビール」は日本的な会合では仕方ないとしても、ずっとビール、あるいはいきなり焼酎やハイボールなどは、食事のマナーからいくと不粋ですね。というのも、ウイスキーや焼酎といった蒸留酒はお酒そのものを楽しむためのもの。アルコール度数も高く、料理と一緒にいただくお酒ではありません。料理を楽しむ「ツール」としてのお酒は、やはり日本酒やワインといった醸造酒です。糖質制限などをしていて焼酎やハイボールを選びたいという方は、そんな話をさりげなくアピールしたほうがいいかもしれません。そうでないと、先様によっては「食の文化を知らないな」と思われてしまう可能性もあります。
 酔わないためには、お酒と同程度の量のお水を飲むといいでしょう。体内のアルコールが薄まり、また排出を促すこともできます。お湯なら体を温めてくれるので、なお良いですね。

お水

酔わないためには、お酒と同量程度の水分を摂ることがポイント

 ただし、水分と同時に塩分を摂ってしまうと、翌朝のむくみにつながるので注意が必要です。お酒を飲むとどうしても味の濃いものが欲しくなりますが、塩分や糖分を摂るなら、いずれも会の後半、ある程度お腹にものが入ってからにしましょう。

 料理については、招待する側なのか、接待される会合なのか、立食のパーティなのか、懐石か等、シーンによって変わってくると思います。
 極論すれば、どのような場面でも緑黄色野菜と青魚、豆腐料理、貝類だけを食べていれば十分です。第7回で「お酒を飲む前は枝豆を」とご紹介していますが、もちろん枝豆もお勧めです。
 緑黄色野菜に含まれるプロビタミンAは抗酸化作用があり、青魚に含まれるDHAやEPAは細胞膜を修復するときに有効ですので、それぞれ、アルコール摂取によって体がダメージを受けた時にそれを補修する助けになります。また、豆腐に含まれるメチオニン、貝類に含まれているビタミンB12やタウリンは、肝機能の働きを促進する作用があります。
 もしメニューを選べる立場にあるなら、鍋料理をチョイスして下さい。春菊やニンジンなど緑黄食野菜や豆腐が使われることが多いので、栄養的にも合格点。鍋にはよく白菜が使われますが、白菜は100gで13kcalしかありませんから、お腹にもたれず「食べている」演出もしやすいと思います。

締めのラーメンは寿命を縮める。今日からはしじみの味噌汁に

 バイキングでは、テーブルにパスタや寿司なども並んでいると思いますが、お酒を飲んでかつご飯やパスタは、明らかに糖分過多です。
 糖分過多の最たるものが、飲んだ後の締めのラーメンではないでしょうか。“大人”の会なら、飲んだ後のラーメンはさすがにないかもしれませんが、部の忘年会などでは、男性同士でラーメンを食べに行く姿も見受けられます。
 飲んだ後ラーメンを食べたくなる理由はいくつかありますが、一つはアルコールによって血行が良くなり、かつアルコールで判断力が鈍っていて「お腹が空いている」と勘違いしてしまうこと。
 もう一つは、ラーメンにはグルタミン酸などうま味、塩味、甘味という食欲を最大限にそそる成分がすべて入っているということ。特にうま味成分は依存性があり、欲しいという気持ちが生まれる味でもあります。いつしか「お酒の締めはラーメン」という刷り込みもできてしまって悪循環なのです。

しじみの味噌汁

 確かにラーメンやうどんのスープには、お酒を分解するのに必要なグルタミン酸、アラニン、亜鉛が含まれていますが、それならしじみの味噌汁のほうがずっと効果的です。食事をしながらお酒を飲んだ後のラーメンは、20代が限界です。賢いビジネスパーソンなら、早々にこの悪循環から脱却して欲しいと思います。これが続けば健康を害して、食事制限をしなくてはならなくなります。一生、ラーメンを食べたいと思うなら、食べる回数をぐっと減らして長く楽しめるように、自分でコントロールしましょう。

 年末年始は、公私ともに忙しくなり、時間も不規則になるので、体調を崩しやすくなります。上手に乗り切って気持ちの良い新年を迎えたいですね。

 さて、次回はお正月明け。「数え年」という考え方では、年を越すと皆、1歳、年を取りますね。「いつまでも若くいたい」というのは、いくつであろうとも思うことですが、そのためには食べものが本当に重要なのです。次回から3回にわたってアンチエイジングに関してご紹介していきます。1回目はエイジングの全体像について、またエイジングの大きな要因である「酸化」についてお話したいと思います。

今日の“食べる”ヒント

・昼ご飯はしっかり食べ、宴会に空腹で参加しない

・お酒を飲んだら積極的に水も飲んでアルコールの排出を促す

・宴会中は緑黄色野菜、青魚、豆腐を中心に食べよう

・締めのラーメンを止めてしじみ汁にしよう

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