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 アンチエイジングの基本は、加齢や病気などで体が〝ボロ〟くならないようにすることです。そのためには、外から侵入する敵を退治できるよう「免疫力アップ」も重要な鍵となります。
 まずは、〝外との接点〟である粘膜を強くするためにビタミンB1を取ること、さらに、話題の腸内環境を整えることがいいようです。それには、「何をどう食べるべきか?」「ビジネスランチで気をつけることは?」などお届けします。

堀知佐子(ほり・ちさこ)

堀知佐子さん

管理栄養士、食生活アドバイザー、アンチエイジング料理スペシャリスト。京都の調理師学校で教鞭をとった後、京料亭「菊乃井」の物販事業部責任者を経て、2010年株式会社「菊の井」常務就任。08年アンチエイジングをコンセプトとしたレストラン「リール」を開業。栄養学、調理学の視点から健康と食事の関係を学ぶ料理教室の開催を始め、地方自治体の農水産物商品開発アドバイスや生産加工に関わるサポート等々活動も幅広い。著書に『今日から変わる! 若返り食生活』『みそと野菜でアンチエイジング』『100歳まで錆びない栄養レシピ』など多数。

外との接点を強く!〝外敵〟の入り口「鼻」「口」「喉」の粘膜を強くする

鼻をかむ男性のイメージ

 はじめに免疫とアンチエイジングの関係について、簡単にご紹介したいと思います。そもそも、免疫力は年齢とともに低下する傾向にあります。
 具体的には、いろいろな免疫細胞の数が減ったり、力が衰えたりするのです。そうした免疫細胞の力が弱まれば、その分、病気になる可能性も上がってしまいます。
 そして病気になったら、治るけれど、体が少し〝ボロ〟になってしまう−免疫力が低下することで老化を感じるのは、そんなイメージでしょうか?
 ということは、免疫力を上げて、病気を防ぎ、体が〝古く〟なるのを防げばいいのです。そのためにはどうしたらいいでしょう?
 まず、外から押し寄せてくる〝外敵〟への防御が必要です。今の季節は風邪をひかないようにと通勤の車内などでマスクをしている人も多いかもしれませんが、それだけでは防ぎきれないこともあります。やはり鼻、口、喉の粘膜の免疫細胞がモノを言うのです。
 粘膜の免疫細胞を強くするには、いつもご紹介しているビタミンACEが重要です。アンチエイジングに必要な抗酸化作用があり、かつ免疫力を高めてくれるビタミンACEが豊富な緑黄色野菜を積極的に摂りましょう。
 さらに、粘膜を強くする食材として、オクラ、サトイモ、モロヘイヤといった〝ネバネバ〟食材が挙げられます。こうした食材に多く含まれている糖タンパクは、タンパク質の消化を促進する役割もあります。長いもを使ったお総菜などを売っているコンビニもあります。風邪が気になる季節には、ランチでもコンビニでも、特にこうした食品を使っているメニューを選ぶように心がけてください。

疲労回復のビタミン「ビタミンB1」

 粘膜を整える成分としては、ビタミンB1も効果があります。
 発見されたのは1911年。東京大学の鈴木梅太郎教授が米ぬかから発見し、世界で最初に論文にしました。ところが海外で発表する際「未知の成分である」という一文が訳出されなかったため、注目を集めることがなかったとか。その後オランダ、イギリスの科学者が、ビタミンB1として分離し、その役割を示してノーベル賞を受賞しています。鈴木は、日本国内でも森鷗外との研究競争があったり、知る人ぞ知る、興味深い人物です。

皮付きのピーナッツのイメージ

 うんちくはさておき、古くから重要な栄養素として認められているビタミンB1は、豚のモモ肉やヒレ肉、ナッツ類、特に皮付きのピーナッツなどに豊富に含まれている水溶性の栄養素です。ビタミンB1の免疫への働きは、最近になって注目を集めるようになりました。
 というのも、人間の体の中で最も大きな免疫器官は腸。実に免疫システム全体の7割以上が腸に集まっているのですが、中でも腸の免疫組織「バイエル板」にある細胞は、ビタミンB1が不足すると小さくなってしまうことがわかりました。
 ですから、ビタミンB1は免疫力アップには欠かせない栄養素ですが、豚肉に豊富に含まれているので、食事が偏りがちなビジネスパーソンでも、比較的簡単に摂れると思います。ビタミンB1の働きを助ける硫化アリルを含んだ食材、具体的にはニラ、タマネギなどと一緒に摂るとより効果的です。
 ただし、先にも触れたように水溶性ですから、しゃぶしゃぶでは、残念ながら肝心の栄養素が溶け出してしまいます。カレーや豚汁など、豚肉の煮汁を一緒に食べるメニューがオススメです。
 また、ビタミンB1は糖の代謝を助けることでもよく知られています。糖は摂りすぎが良くないだけで、神経や臓器の機能を保つ重要な栄養素。その代謝を促すので、ビタミンB1は「疲労回復と神経のビタミン」と呼ばれるほどなのです。
 ちょっとしたことでイライラしてしまう、「疲れた」が口ぐせになってきたというビジネスパーソンはいらっしゃいませんか?もしかしたらビタミンB1が不足しているかもしれません。そんな時には豚汁で元気を取り戻しましょう。

体内を強く!話題の腸内フローラの環境を整えて風邪知らず

腸内フローラのイメージ

 もう一つの免疫力アップの方法として、腸内環境を整えることが有効です。それには話題の腸内フローラの助けを借りましょう。
 腸内フローラとは、腸内にいる細菌の集まりのこと。1000種類とも言われる細菌が腸内に住んでいる様子がフローラ、つまり〝花畑〟のように見えることからこの名前がつきました。
 では、腸内フローラの環境を良くする食物とはどんなものでしょう?
 乳酸菌飲料やヨーグルト、納豆といった発酵食品がおすすめ。乳酸発酵した漬物もいいですね。また空前のブームになっている甘酒は、ビタミンB群が豊富に含まれ、さらに必須アミノ酸も含まれているので栄養的にもかなりの優等生。最近はコンビニなどでも置いているところが増えてきました。
 他にも、オリゴ糖は腸内細菌のエサとなる食品で、それ自体ミネラルも豊富。きな粉、バナナ、タマネギに含まれています。食物繊維も腸内細菌の代表選手、乳酸菌、ビフィズス菌のエサとなります。
 ちなみに食物繊維には不溶性と水溶性があるのはご存じでしょうか?
 不溶性は文字通り、水に溶けないもので、セロリなどの繊維がそれです。食物繊維は腸の掃除をしてくれると言われているのですが、実は不溶性食物繊維では、その効果はあまり期待できません。食物繊維という場合、むしろ水溶性のほうがいいでしょう。ゴボウには、不溶性、水溶性の両方が含まれていますし、コンニャクは水溶性食物繊維のかたまりと言っていいでしょう。もちろん海藻類にも豊富です。
 また大麦には、水溶性の食物繊維のほか、免疫力を高めるβグルカンも含まれています。グルテンフリーですので、腸内環境を良くするにはうってつけです。こちらもブームになっているので、外食でメニューを選ぶ時にも、あるいは自炊をするならますます、お店で気にして見てみて下さい。

 さて、今回で連載は終了しますが、ビジネスパーソンとして、自分の力を思い切り発揮するために、そして体と心の健康を維持するために、食べものの大切さは言うまでもありません。体が喜ぶ、本当においしいものをきちんと選んで、明日の仕事のパワーにつなげましょう!

今日の“食べる”ヒント

・オクラ、サトイモなどネバネバ食品で粘膜を強くしよう!

・豚肉を食べてイライラ解消、免疫力もアップ

・腸は最大の免疫器官。腸内細菌を整えよう

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