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言い訳をする選手に進歩はない。自分にウソはつけない

― 問題を発見するためにも、プロセスの積み重ねが大事なのですね。とはいえ、結果を出せない時期が続くと心理的にも辛いのではないでしょうか?

宮本慎也さん

プロスポーツ選手の厳しさは、そこにあります。調子が悪いときでも、それなりの成績を残さないといけません。でも、努力や工夫というプロセスを経た実力があれば、ある時期に調子が悪くても、後から取り戻すことができるのです。一番よくないのは、失敗したときに言い訳をしてやり過ごそうとすることです。

― ドキッとさせられました(笑)。

失敗は誰にでもあります。プロ野球では、打率が3割で一流選手と言われますが、つまり10回のうち7回は失敗しているということです(笑)。失敗して当たり前のスポーツなので、いちいち言い訳していたらキリがない。「次に同じ失敗をしないためにはどうすればいいか」という繰り返しなんです。

― ビジネスの場でも当てはまる話だと思いますが、つい「こちらにも言い分がある」と、言い訳をしたくなることがありますね。

同志社大学1年生の時に、監督から言われた言葉が印象に残っています。練習中の態度が原因で反省文を書かされたことがあったのですが、自分としては不本意だったのが文章に表れていたのでしょう。監督に呼び出され「お前の文章は言い訳ばかりだ。失敗を認めるから反省して次に進める。ここで言い訳がうまくいって逃れることができたら、また同じことをするだろう」と言われました。失敗を何かのせいにするのではなく、きちんと反省し、改善の努力をすることで成長していくのだと、その時に気づかされました。

― その後の野球人生に大きく影響した気づきですね。

プロに入ってからは、野村元監督から「言い訳は進歩の敵である」という言葉を聞きました。野球の試合では、天候やグラウンドの状況を言い訳にしても、その試合に出ているメンバーにとって条件は一緒ですからね。言い訳をするほど周りからも信頼されなくなります。時間は戻せませんから、ミスしたことをごまかしてもしょうがない。どんな仕事でもそうだと思いますが、うまく嘘をついたり逃れようとすれば、後から必ず大きなしわ寄せがきます。「こういうミスをしました」と早い段階で認めたほうが修正もしやすいと思います。

リーダーにメソッドはない。チームを観察し臨機応変に向かい合うだけ

― プレーヤーとしてだけではなく、リーダーとしても活躍されました。2004年、2008年とオリンピックで野球日本代表のキャプテンを務めました。

宮本慎也さん

自分にキャプテンの資質があるとは、まったく思っていなかったので最初は戸惑いました。私は、スター選手をカリスマ性でまとめるというタイプではありません。チームを引っ張るというよりは、進むべき方向を決める立場だったと思っています。

― 2004年のアテネオリンピックは、初めてオールプロで編成した日本代表チームで「これだけのメンバーが揃って負けるわけがない」という雰囲気がありましたね。

周りからそう思われていたのも感じましたし、初めて代表選手で集まったときにもオールスターのような空気を感じました。それでむしろ「本当に勝てるのか?」と、不安になったんです。というのも、私は高校最後の夏に、100回試合をしたら99回は勝てると見込んでいた相手と試合をして負けた経験があります。100回に1回しか負けない、その1回に当たってしまったわけです。どんなに自信があっても「野球は何が起こるか分からない」ことを痛感していたので、この雰囲気は危険だと感じていました。

― アジア野球選手権の前に壮行試合がありましたが、日本代表は若手中心のプロ野球選抜チームに負けてしまいました。

そこでチームの雰囲気が一変しました。選手たちの表情からも余裕が消えたのが分かりました。自分たちより格下に思える相手でも、一発勝負では負けることがあると痛感したのでしょう。

― どのようにチームを鼓舞したのですか?

この時は、「これからの試合はプロ野球のペナントレースとは違い、一発勝負なのだ」という心づもりが、チームに必要でした。そこで私はミーティングで「これからの試合は、負けたけど一生懸命やったから仕方ないという戦いではない。何が何でも勝たないといけない」と伝えました。チームとしての方向性はこれしかないと。確かな実力のある選手たちですから理解も早く、すぐに意識が切り替わったのを感じました。プロセスが大事だとお話しましたが、この時ばかりはプロセスよりも結果がすべてでした。日本代表をプロで編成するのは、アマチュア選手の夢を奪っていることでもあり、負ければアマチュア球界にも顔向けできません。どんな形でも勝つ必要があったのです。

― 結果的には銅メダルを獲得しました。

実は3位決定戦に臨む前、日本代表の監督だった長嶋茂雄さんから「今まで試合に出ていない人を使ってあげてほしい」と伝言があったんです。金メダルを取れないのであれば、国際試合を体験する場と割り切ったほうがいいとお考えになったのでしょう。でも、チームには「とにかくメダルを取らないと帰れない」という雰囲気がみなぎっていました。勝てるメンバーで臨みたいということで、ほぼスタメンのまま試合に出たんです。でも、試合に出られないことを不満に思う選手はいなかったし、勝って銅メダルが確定した時にチーム全員が嬉しくて泣いていました。メダル獲得という目標に向かって同じ意識を持ち、チームとして機能していたのだろうと思います。

― 同じ目標を持つことで、求心力が生まれたのですね。

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