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第8回AI・人工知能EXPO【春】 画像認識AI「Deeptector®」に新機能
第8回AI・人工知能EXPO【春】 画像認識AI「Deeptector®」に新機能
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NTTコムウェアは5月22~24日に東京ビッグサイトで開催された第8回AI・人工知能EXPO【春】に画像認識AI「Deeptector®」(ディープテクター)を出展。ロボットと連携した動的アナログメーター読み取り機能やベルトコンベアを使った検品のデモンストレーションに来場者の注目が集まった。

アナログメーターへの自動追従で、「動くカメラ」での読み取りが可能に

NTTコムウェアが提供するDeeptector®は、深層学習(Deep Learning)の手法を用いた検知器の役割を担う画像認識AIである。見つけたい傷、外観不良等、判定したい対象の画像セットを用意し、Deeptector®を用いて学習させ、学習済みモデル(AIモデル)を作成する。作成した学習済みモデルと判定用の新しい画像を照会することで検知が可能となる仕組みだ。GUIクライアントツールと4種類の判定パターンを備え、お客さまのビジネスや課題に合わせた多種多様な画像認識を実現できるのが特長だ。

展示ブースで一際目をひいたのが、ugo株式会社のロボット「ugo mini」を使った動的アナログメーター読み取り機能のデモンストレーションだ。

工場の現場で利用されている多くの設備には、アナログメーターなどの各種アナログ計測機器が備え付けられているが、「目視で確認したアナログ情報をデジタル化できない」「デジタル化に対応した設備にリプレースする費用がない」といった課題が立ちはだかり、思うようにDXを推進できないお客さまが多いのが実情だ。

このような課題を解決するため、2022年10月にリリースされたのがアナログメーター読み取り機能だ。既存の各種アナログ計測機器には手を入れることなくデータのデジタル化を実現する。

そして2024年4月に新たにリリースされたのが、動的アナログメーター読み取り機能だ。これまでは固定したカメラでの撮影が条件であったが、メーターの情報を初期登録すれば画像を自動で追従し、画角の違いや撮影位置のずれなどを吸収することができるようになった。そのため、スマートフォン、ドローンやロボットに搭載された「動くカメラ」でのメーター読み取りが可能となった。また、1台のカメラで複数かつ異なる種類のメーターの同時読み取りができるため、今後さらに活用の幅が広がりそうだ。

動的アナログメーター読み取り

動的アナログメーターのデモンストレーションは、工場内の巡視を想定したものであった。自動で移動する「ugo mini」がカメラの付いたペリスコープを伸ばして読み取ったアナログメーターのデータをDeeptector®が判定し、ダッシュボード上にリアルタイムに表示するというものだ。

動的アナログメーター読み取りのデモンストレーション

また、動的アナログメーターを用いた3つのユースケースが紹介された。1つ目が「工場のメーター常時監視」だ。常時監視することで、メーター値の異常時に即時対応することができる。また、過去の履歴から故障の予兆を捉えることも可能だ。2つ目が「スマートフォン撮影による記録」だ。目視確認から自動判定に変わることで、メーター読み間違いの防止や、人による作業品質のばらつきの抑制が期待できる。また、書き取りミス等の人為的ミスも防止できる。さらにデジタルデータとして自動蓄積・分析することでさまざまな意思決定への活用も考えられる。3つ目が「ロボット・ドローンによる巡回」だ。人ではなくロボットに巡回させることで人的コストを削減できることはもちろんのことだが、高所や高温などの危険な場所での作業を回避できることも大きなメリットといえる。

動的アナログメーター読み取りのユースケース

GUIクライアントツールで、誰でも簡単にAIを作成

展示ブースでは、GUIクライアントツールを使用した外観検査AIを作成するデモンストレーションも行われた。操作はマウス操作のみ。コマンド入力などAIに関する専門的な知識がない人でも抵抗なく使えるだろう。画像をアップロードするとDeeptector®に画像セットが作成されるので、あとは判定パターンを選び、学習ボタンを押すだけで、AIを作成することができる。判定パターンやエンジンが複数用意されており、業態や現場に応じて作成できることも魅力だ。

外観検査AI作成のデモンストレーション

AIとFA機器を連携し、人手不足などの課題解決の一助に

Deeptector®はHTTPプロトコルを使用して通信を行うが、AIの判定結果を電気信号に変換し、一般的な生産ラインで用いられる産業用機器を制御できる機能「業務連携アプリケーション」も提供されている。これによりお客さまの産業用システムにAIを組み込むことが可能となる。

AI判定結果を産業用システムへ電気信号で連携することで、人手に頼ることなく業務継続・進行が可能になる。また、電気信号入力にも対応しており、入力ピンに応じて予め設定したスクリプトが実行できるといった特長がある。「業務連携アプリケーション」は、製品の外観検査やインフラメンテナンスの場で導入され、人手不足やスキル継承などの課題解決の一助になっているという。

展示ブースでは、ベルトコンベア上に流れる製品のNG品を判定し、ベルトコンベアの自動制御を行うデモンストレーションが行われた。これまでベルトコンベアの速度が早く、ルールベース検知器では検出が困難であった場合においても、1秒間で数回の判定を実施するDeeptector®を用いることで、異常時の見逃しを防止できるという。

AIとFA機器の連携デモンストレーション

そのほかにも、電柱の営巣検知やツル/ツタ検知による巡視業務の効率化、センサーが設置できない現場における作業実態の数値データ化およびデータ分析による業務改善・効率化を実現したケースなど、お客さまの課題を解決するDeeptector®の活躍ぶりが多数紹介された。

NTTコムウェアはDeeptector®の提供だけでなく、導入支援から環境構築・運用までトータルでサポートしてくれることもユーザーにとって心強い。マルチモーダルAIやAI PCが話題となるなか、Deeptector®の今後のさらなる展開に期待したい。

(ジャーナリスト:渡辺史敏)

2024/06/21

  • ※ 商品およびサービスの内容は、予告なく変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
  • ※ 「Deeptector」はNTTコムウェア株式会社の登録商標です。
  • ※ 「ugo」はugo株式会社の登録商標です
  • ※ その他、記載されている社名、商品名などは、各社の商標または登録商標である場合があります。

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