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NTTドコモソリューションズの技術の祭典!技術革新が拓く新たな価値
NTTドコモソリューションズの技術の祭典!技術革新が拓く新たな価値
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NTTドコモソリューションズは11月12日、NTT品川TWINSアネックスビルにおいて「DevelopersLive!2025」を開催した。同イベントはNTTドコモソリューションズを中心としたドコモグループ社員およびパートナーに、ビジネス価値につながる開発技術・動向を紹介する場であり、プロジェクト担当者やお客さまとの対話・共創のきっかけづくりの場として、2017年から毎年開催しているもの。今年は「技術革新が拓く新たな価値」をテーマに、技術戦略を知る3つのキーノートと未来の開発を支える技術と価値を探る4つのセミナー、展示を行った。前編では社内3名によるキーノートをリポートする。

NTTドコモR&Dの未来展望
〜6G・AI時代を共創し、新たな価値を創造する〜

岡川隆俊

株式会社NTTドコモ
執行役員
R&Dイノベーション本部
R&D戦略部 部長
岡川隆俊

最初のキーノートではNTTドコモ(以下、ドコモ)の岡川氏が、ドコモにおけるR&Dの取り組みとNTTドコモソリューションズに対する期待を語った。NTTドコモ R&Dイノベーション本部(以下、ドコモR&D)は、「次世代ネットワーク技術(6G・IOWN)」と「AI・ビッグデータ」の2つのコア技術をアセットベースとし、「個人と社会の生産性向上」、「人々の驚きと幸せを最大化する社会の実現」の2つのビジョンを掲げている。これらのビジョンには、「人々が公私ともにWell-beingな生活を送り、持続的に体感できる社会を実現したい」という思いが込められている。

内閣府が提唱する「Society 5.0」と同様に、ドコモR&Dはサイバー空間とフィジカル空間を融合した未来像を描いている。フィジカル空間のさまざまなデバイスやIoT、ロボットから、6G・IOWNを通じてデータ収集を行い、サイバー空間でそのデータを活用して価値を創出し、得られた技術をフィジカル空間へフィードバックすることで、社会課題の解決と顧客への価値提供へつなげる。未来に向けた社会構造のシステムを築いていきたいという志で研究開発を進めている。

サイバー・フィジカル融合の実現に向け、ドコモの強みとして発揮されるのが「ドコモデータ」と「通信インフラ」の技術である。ドコモR&Dでは、ドコモのビッグデータ基盤を活用して、新たな価値を創造し、新しいサービスから生まれたデータをさらにビッグデータ基盤へ取り込む価値循環のサイクルを中心として取り組んでいる。例えば、顧客データからペルソナを生成し、マーケティング施策や店舗運営を事前に検証する仮想マーケティング技術の取り組みが進行中である。

また、ドコモR&Dでは2017年から6Gの検討に取り組んでおり、ドコモが「6Gを推進する意義」を確立し、世の中へ発信するとともに、パートナー企業とともに将来に向けた技術検討や共同実証実験を進めている状況である。6Gの仕様については、国際標準化団体による検討が進められており、2029年の仕様凍結をめざしている。ドコモも標準化活動に関わっており、6G向けインフラの新技術の特許出願を積極的に行っている。また、「6Gを推進する意義」の一つとして「NW for AI」があり、「AIやロボットが人々の生活に溶け込む社会」を支える新しいネットワークを構想している。その実現に向けて、ドコモR&Dでは、AI・ロボットの能力を最大限に発揮するネットワークの技術検討をしている。

今後は、ドコモR&DとNTTドコモソリューションズの連携を強化し、共同プロジェクトをさらに拡大していきたいと語った。NTTドコモソリューションズのソフトウェア開発力を活かしてDevOpsを推進し、同社の技術アセットを活用することで、未来に向けてR&D領域で新たな価値を創出していきたいとのことだ。

講演は、技術を核としながらも「人と社会に寄り添うR&D」を志向するドコモの姿勢を鮮明に示すものとなった。

一般企業において:持続可能な成長を導くデジタル戦略とCIOの役割

矢島孝應

NPO法人 CIO LOUNGE 理事長
(NTTドコモソリューションズ株式会社取締役)
矢島孝應

矢島氏は長年、企業の「ITを使う側」として経営に携わってきた経験から、日本企業のデジタル化の遅れとその克服への道を語った。同氏はパナソニック、三洋電機、ヤンマーなどで要職を務め、現在は複数の上場企業の社外取締役を務めながら、経営とITを結ぶNPO法人CIO Loungeを設立し、理事長として日本のDX推進に取り組んでいる。

冒頭、松下幸之助の「素直な心」の話を引用し、経営においては時代の流れを正しく理解し、柔軟に適応する姿勢が不可欠だと説いた。日本のスポーツ界が世界水準に到達する一方で、企業社会は競争力を失っているとし、その象徴として「世界デジタル競争力ランキング」で日本が31位まで転落した現状を挙げた。

日本のIT化は1970年代の個人作業効率化から始まり、80年代の業務処理、2000年代のERP導入へと進んだが、現場依存とカスタマイズ文化が標準化を妨げている。リーマンショック後、欧米がIT投資を強化する中で、日本はITへの投資を止めたことが決定的な遅れを生んだという。さらに、企業内の情報システム人材の処遇が低く、優秀な人材がSIer側へ流出した結果、IT人材構造が「企業3:業界7」と逆転。経営と技術の断絶を生んだ。

また、経済産業省が警鐘を鳴らした「2025年の崖」も、経営課題ではなく老朽システム対応と誤解された。基幹システム刷新が進まず、業務プロセスを理解する人材の退職による組織知の断絶を伊勢神宮の「式年遷宮」にたとえ、企業も定期的に仕組みを更新し、知を継承すべきだと強調した。

DX(デジタルトランスフォーメーション)については、単なるIT化や業務効率化ではなく、企業の存在目的(ミッション)に基づく「ビジネス変革(BX)」であると定義。目的が異なればDXの方向性も異なるとし、デジタル活用のあり方を決定づけるのは企業理念であると説明した。

さらに、企業はもはや単体で完結せず、業界・社会全体を巻き込む「エコシステム」の中で価値を創出する時代にある。製造業の例では、個々の機械性能を高めるだけでなく、流通や他社との連携を含む全体最適が重要であるという。これをSDGsや人的資源経営と結びつけ、社員の感情や健康状態など「感性データ」も活用する時代に入っていると述べた。

基幹システムについては、安定性重視の「経理・財務系」と柔軟性重視の「業務・戦略系」を分け、後者ではアジャイル開発やAPI連携による迅速な対応が求められると整理。企業全体の業務プロセスとデータ定義を再構築し、AI・画像・音声など新たな情報を活用できる基盤を整える必要を説いた。

最後に、DX・AI時代を支えるには「全社員がSEになる」意識改革が不可欠だと結んだ。IT人材の量的拡大が難しい日本では、全員がデジタルを使いこなす感性を磨くべきだと強調。経営層は意思決定データを整備し、現場は高付加価値業務へシフト、IT部門は全体設計とAI活用に注力することで、日本企業が再び競争力を取り戻せると締めくくった。

けしからん提案のその後 AIを使わないのが”けしからん”時代に

渡邊浩誠

NTTドコモソリューションズ株式会社
執行役員
技術革新本部 本部長
渡邊浩誠

渡邊氏は、昨年の同イベントでの講演タイトルであった”けしからん提案”に触れ、AI活用と開発プロセス改革の1年間の歩みを振り返り、次の展望を示した。

1年前に掲げた「正しいものを正しくつくる」という理念を起点に、「正しいものをつくる」ために必要なスコープ(機能範囲)のリスク管理方法、セキュリティとDevEx(Developer Experience:開発者体験)の両立、AI推進による生産性向上および効率化などについて1年間を振り返った。

一方で、全てのプロジェクトでのAI適用ができていない主な理由として、心理的ハードルや既存ツールとの統合が不十分であることによる業務フローへの組み込みが不足しているという。それぞれの理由に対して行っている打ち手、今後導入予定の打ち手について紹介を行うとともに、AIの進化に応じたAI活用による効率化が急速に進むことが自明である以上、AIを活用しないことがビジネスリスクであり、積極的にAI活用に向けた投資を実施するという方向性を提示した。

そして、「AIを”文化”にするための3つの仕掛け」として、
①AIを特別なツールではなく、当たり前の存在にするための「日常業務への自然な組み込み」
②AI利用自体が楽しいことで、正しく効果的に利用することが評価に値することを示す「AI活用の可視化」
③AIの使い方を知らないことが最大の障壁であるという考えに基づく「AIリテラシー教育+成功事例の共有」
を紹介した。また、他社のAI戦略と比較することで、同社が強化すべき課題を提起した。

最後に、「AIと共に働く“けしからん日常”」という未来像を提起する。AIによるシステム開発の将来予測、データ活用やセキュリティ面におけるAI統合時の課題とその課題を解決するために必要な技術要素について言及した後、AIと共に働く環境における人間の役割について触れ、技術力に基づいたスコープ確認、セキュリティ担保、品質担保を前提としつつ、アイデア創出(顧客志向、上流シフト)すなわち「人間力」が不可欠であると結んだ。

最後に「システム開発はサービス業である」と改めて定義づける。単に正しく作るだけでは顧客満足は得られず、期待を理解し、課題を共に解決する姿勢こそが信頼につながると語り、AI時代の中でも“人”を中心に据えた開発を続ける決意を示した。

渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)

2026/01/06

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