哲学するAI~「愛」から「お金」を引いたら何が残るか~

2019/12/18

2019年11月21日(木)と22日(金)、品川インターシティホールで開催された「NTT COMWARE'S DAY 2019」にエバンジェリスト(データサイエンティスト)の川前が登壇した。


『Attention, Please! Secret Garden of Natural Language Understanding #3』

川前は、NLU(Natural language understanding:自然言語理解)について、「文章や会話を理解しているように見せかける技術」だと述べた。ここでいう「理解」とは、観測した事象(成果)での判断であり、その際のプロセスは一切問わない成果主義。「生成」「会話」「説明」「認知」のようなことができれば、「AIがちゃんと理解している」と人が思えるのだという。そこでは「Attention(注意)」という仕組みが活躍していると説明した。

NLUの考え方でできることの一例として、「撮影した本物の画像とAIが作成した画像」がフェイクニュースなどで区別がつかなくなっているように、「人間が作成したテキストとAIが作成したテキスト」の区別もつかなくなりつつあることを、偽の国連演説文を約半日で生成した研究者の成果を例に述べた。 加えて、AIによるサービスのひとつに機械翻訳があるが、2019年3月、堺筋線が「Sakai Muscle line」と訳されていた話題を取り上げた。このような事象は、単語の前後の対応(Alignment)を見ていないことから発生しているが、NLUの「Attention」を取り入れたDeep Learningを組み合わせることで解決できるという。

また、NLUで意図の処理も可能だと説明する。試しに、NLUの仕組みを取り入れた検索システムで「愛」から「お金」を引いたら何が残るか実際にデモしたところ、「愛情」、「思い」、「恋」という結果が返ってきた。川前は「これからは人間と同じように意図をくみとったり、聞き返すなどの対話機能が必要になってくる」と述べ、「まるで人間の答えのようで、NLUにも哲学的なものが出てきていると感じる」と締めくくった。