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驚かされたのは、スーパーヒーローのようなバイタリティーを持つベンチャーの底力

今井:NTTコムウェアの中では私が窓口となってMealthyさんとお話をさせていただいているのですが、私が特に気をつけていたことは、「Mealthyさんがいかに気持ちよくサービス創出をしていけるか」という点です。ベンチャーの方々は圧倒的なスピード感でビジネスを立ち上げて、拡げていく人たちです。そのスピードを、どうすれば減速させずに協業推進ができるのか。そういったことを常に考えていました。

――ベンチャー企業のスピードについていくためにはどういうことをしていましたか?

今井:ひたすら人を巻き込んでいました。今回は箕浦のチーム(ビジネスインキュベーション本部 AIビジネス推進室)や、クラウドサービスのチーム(ネットワーククラウド事業本部サービスプロバイダ部)にも参画してもらっています。そして、ただ協力してもらうというだけでなく、Mealthyさんに負けないようなスピード感を持ってやっていこうという意識をみんなで統一することを心がけました。

箕浦:組織ではどうしてもヒエラルキーの中での動きが大事になってきます。しかし今回は、従来よりも意思決定を早くすることが重要でしたね。「Deeptector®」というプロダクトの提供という形での協創なので、Mealthyさんからの要望を受けて、どれだけ早くフィードバックできるか。そして調整や改善をするべき項目があればどれだけ迅速に対応できるかが鍵でした。

高畑:大企業のお客さまが多いNTTコムウェアは、何かを始める前に「良い結果が出るのかどうか」を考えてしまいがちです。しかし、今回は検証を後にして、とにかく実際にやってみようという姿勢で臨みました。それがスピードに表れている気がします。

今井:毎日、少しずつでも、確実に進んでいるという手ごたえがありましたね。

鈴木:NTTコムウェアの皆さんにスピーディーな対応をしていただけたことは非常にありがたいのですが……。Mealthyから見ると、トライアル期間が半年しかないので、逆にあおられている気持ちがあったんです。正直なところ、「半年でサービスを作り上げるって、さすがにタイトじゃないですか?」とずっと言いたかったんですが、今まで訴える機会がなくて……(一同笑)。

今井:それにしても、鈴木さんたちのスピード、バイタリティーは尊敬の一言です。新しいビジネスを始めようとする人たちはみんなスーパーヒーローみたいな方ばかりです。戦って戦って瀕死(ひんし)の状態になっても、また力強く立ち上がるエネルギーを持った人なんです。どんな問題や課題に直面しても前に進む、そういうスーパーヒーローみたいな人たちとパートナーとして一緒に働くには、こちらも力のある人間にならなければいけないと思っています。そのためには日々勉強ですね……、さまざまな書籍を読み込んで、Mealthyさんのビジネスの勉強をしたり、鈴木さんから直接お話いただいたりしていろいろと学ばせていただきました。

高畑:そこで学んだことは、他のサービスや事業にも活かせていると思いますよ。

今井:そうですね。社内の人と話すときにも、Mealthyさんとのやり取りを通して学んだことを伝えると「そういう観点もあるんだね」「そういう進め方をしているんだね」と感心されました。

協創の成功の秘訣は、自分事化と共感

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――協創を成功させるには、どのような点が重要であると考えていますか?

鈴木:パートナーとなる企業にも、私たちの事業を自分事として感じていただくことは本当に重要です。私たちのようなベンチャーは、自分たちの事業を限界までやる世界なので、これ以上アクセルは踏めないというくらいの強い気持ちで臨んでいます。その気持ちを理解していただけないと先に進まないというか……。「ベンチャーに外注」みたいな気持ちでいられると、協創しようとしても何も達成できないでしょう。ベンチャーの事業を自分たちの事業として認識してもらって、チームとして一緒に作り上げていく感覚。NTTコムウェアの皆さんからはそれを強く感じることができました。

高畑:私はパートナー同士が互いに提供するものが、嚙み合うかどうかであると考えています。NTTコムウェアはパートナー企業との協創ビジネスをめざしていますが、私たちには新しいビジネスを作るという経験があまりありません。その点、自らビジネスを作り上げていこうというベンチャーと新しいことに取り組めることは、いい経験になっています。一方で、私たちの持っている技術、「Deeptector®」に利用価値を感じていただいているからこそ、この協創はうまくいっているのではないかと思います。

今井:私は、鈴木さんから「世の中を変えるんだ」「自分の力でもっといい世界にしたいんだ」という思いを強く感じ、そこに大いに共感しました。相手の想いやビジネスをリスペクトし、自分も一緒に歩んでいく、つまり自分事化することが大事かなと。そうでないと、お互いに「おまかせ」みたいな関係性になってしまって、協創が成功しないのではないでしょうか。

欠かせないのは、調停しながらけん引していく橋渡しをする存在

鈴木:Mealthyから見ると、窓口になってくださった今井さんの手腕によってだいぶ楽をしたところがありますよ。

今井:そうですか?そういっていただけるとありがたいです。窓口としての活動をする上でも色々と考えながら進めていました。例えば、窓口を一本化する、こまめな進捗を確認しない、本質的ではない仕事のせいでMealthyさんのスピードが損なわれないように社内からの依頼もなるべく調整してきました。鈴木さん、私は少しは役に立っていましたか?

鈴木:もちろんです。むしろ、私たちが足りない部分をカバーしていただいていたと感謝しています。ベンチャーということに甘えてはいけませんが、私たちはまだまだ未熟で、やれるかやれないかのギリギリまで頑張るところがあります。その結果、マイナスの要因が生じているのではないかと思うのですが、今井さんのおかげで、プラス方向、前向きに進める環境を作っていただきました。

箕浦:今井のような窓口を立てたことはこちらとしても狙っていたことなんです。「Deeptector®」担当の私が直接、Mealthyさんとコミュニケーションすると、問い合わせを受けたときに「それは「Deeptector®」でできます、できません」といった回答をして終わってしまいがちで、そこから話が進まなくなる。しかし、今井のような、両方の立場をおもんぱかって調整する人間が間にいると、歩み寄りができます。この歩み寄りが協創で新しいビジネスを立ち上げようというときに大事ではないかと思うんです。あるときは調停役、あるときはけん引役として働く八面六臂の窓口が必要なんです。

鈴木:今井さんは大企業の人っぽくない感じがあって、私たちもやり取りしやすかったですね(笑)。例えば、遅い時間帯に連絡しても返事してくれるとか、私たちの連絡網にも参加してくれるとか。そういうフットワークの軽さも、ベンチャーと付き合ううえでは大事なことかもしれません。

牛丼と豚丼をAIは識別できるのか? トライアルを通して「Deeptector®」の可能性が広がった

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箕浦:鈴木さんには「Deeptector®」をとことん使い込んでいただき、私たちが気づいていなかった「Deeptector®」の可能性を見つけてもらいました。例えば、「牛丼と豚丼の区別がつくか」「クリームパンとジャムパンが識別できるか」といったこと。提供元が言うのもなんですが、プロが使うレベルでそういうことができるんだと再認識させられました。

鈴木:揚げ物は外見だけでは分かりにくいですよね。トンカツとメンチカツ、フライ定食、コロッケ定食のようなものはなかなか区別が難しい。中身を見ないと人間でも分かりません。でも、メンチカツならともかく、トンカツは2枚重ねて盛られることはあまりない。そういう盛り付けのパターンも含めてAIで分析すると精度が高まるんですね。

今井:そうそう。Mealthyさんでは、食品ごとの認識モデルに名前を付けているんですよね。揚げ物の認識モデルは「揚げ物テクター」、パンは「パンテクター」、ラーメンは「ラーメンテクター」とか(笑)。あの名称は、鈴木さんが決めているんですか?

鈴木:私が愛情を込めて命名しています。

今井:「Deeptector®」に愛情を注いでいただいてありがとうございます。これほど製品を使い込んでくれる協創パートナーと出会えて本当に感謝しています。

協創がビジネスとして成功するには、新しいビジネスモデルの構築が必要

鈴木:協創の成功事例は世の中を見回しても、まだPoC(概念実証)の段階が多いですが、実現に向けて欠かせないのは「ビジネスモデルをどうするか」ですよね。私たちベンチャーが協創、オープンイノベーションに期待するのは、一緒に事業を広げられる推進力というようなもの。一緒にビジネスを協創していく相手にもインセンティブがあって主体的に動けるようなモデルを作れないかぎり、真の意味での協創、ビジネスとしての成功はないだろうと思います。

高畑: 確かに「どのような形でビジネスにつながるのか」を常に意識しながら進めていないと、「こういうことが試せて良かったね」と、PoCで終わって満足してしまうことになりかねません。協創でビジネス化をめざす意味では、最終的にどういうビジネスモデルを構築するかがすごく重要なことだと思います。

箕浦:食事や健康は、基本的な人間の営みですから、今お話をさせてもらっている範囲の外にも展開していく可能性は大いにあると思います。ますます夢が広がりますね。

鈴木:Mealthyは、今は栄養士がコンシェルジュとしてアドバイスしていますが、将来は栄養士のAI化ができればいいですね。そしていずれは、スマートフォンを持っているだけでユーザーが誰でも健康になれるような社会を作るのに貢献したいと思っています。

また、ゆくゆくは、このサービスを世界に広げていきたいという思いがあります。糖尿病患者数は国内では約2,000万人ですが、世界では予備軍を含めて約4億人弱。20年後には6億人まで増えると予測されています。つまり、世界的にサービスを展開した場合、より多くの人の課題解決ができるというわけです。この目標には、人生をかけて取り組む価値があると思っています。

今井:目標に向かって、我々も成長しながら一緒に取り組みを進めていきます。

2018/07/31

  • 商品およびサービスの内容は、予告なく変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
  • 「Deeptector」は、NTTコムウェア株式会社の登録商標です。
  • その他、記載されている社名、商品名などは、各社の商標または登録商標である場合があります。
  • 所属部署、役職等については、取材当時のものです。

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