COMWARE PLUS プラス・サムシングを大切なお客さまへ

メールマガジンのご登録
ポスト
        
        

板東 浩二 氏
1977年4月、日本電信電話公社(現NTT)入社。九州支社ISDN推進室長、長距離事業本部通信網システム部担当部長、マルチメディアビジネス開発部担当部長を歴任。1998年、NTTぷららの社長に就任。2010年、アイキャスト社長就任(兼任)。現在に至る。

「業界初・日本初となる事業推進を心がけ、時代を先取りしたブランド構築に努めます」

海野:プロバイダーとして成長させるために、どのような工夫をされましたか。
板東:当時は既にいくつかのプロバイダーがブランドを確立していました。当社はブランド力も資金もありませんでしたから、どうすればやっていけるのかを考えて見つけたのが「ユーザー満足度でナンバーワンになること」だったのです。そこでこの部分に力を入れたところ、ある雑誌のユーザー満足度調査で高い評価をいただくことができました。その後も業界初、日本初となる事業を行うことを心がけています。
海野:現在の御社を見ていると「ひかりTV」が主なサービスになっている感がありますが、いかがでしょうか。
板東:ISP事業を推進してきましたが、このまま伸び続けることはなく、いずれ頭打ちになるだろうと考えていました。そこで始めたのがネットを通じて配信する映像サービスです。当初、NTTグループには3つの映像サービスがありましたが、それらのサービスを統合して2008年に開始したのが、「ひかりTV」です。「ひかりTV」は、ビデオオンデマンドや専門チャンネルだけでなく、日本初のネット経由の地上デジタル放送も開始しました。当時、ISPの売り上げが310億円だったのですが、地上デジタル放送の配信サービスを開始するにあたって150億円投資しました。売上も利益も見込めない事業に投資するのはどうなのか、当社がつぶれてしまうのではないかと思われた方もいたかもしれませんね。

「NTTグループの一員として、御社のさまざまな新ビジネス展開をご支援します」

海野:相当のリスクがあったのですね。
板東:当社は映像配信サービスをかなり早い時期に開始しました。その後、いくつもの事業者が映像サービスを開始しましたが、1年ほどで資本が尽きてしまったところもあったようです。映像ビジネスは初期投資が大きいので、リスクは大きいと思います。
海野:加入者数を増やすために、どのような努力をされましたか。
板東:開始当初は非常に苦労しましたが、2年目からは順調に増やすことができました。重視したのはサービスの競争力です。まずは料金、そしてコンテンツの内容、もう一つは利便性ですね。テレビはリモコンで操作しますから、このあたりは意外に盲点です。当社ではUI改善プロジェクトチームを発足させ、徹底的に使いやすい仕組みを考えました。これは他の事業者さんに比べても一歩先を進んでいると自負しています。

常に「新しいこと」にチャレンジできる環境を整備

海野:御社は活気があって、新しい事業をどんどん進めておられる印象があります。社員の育成についてはどのようにお考えでしょうか。
板東:私自身を振り返ってみて感じるのは、10年単位で考えてみることです。入社して最初の10年間は、たとえ望まない仕事であっても全力で取り組む。その中で自分の得意分野や強みを見つけていくのがいいでしょう。次の10年ではマネジメント力を身につけます。時間、お金、人、情報という4つの要素をきちんと管理しながら、組織やプロジェクトをどう運用するかを勉強する期間です。
そして、次の10年ではおそらく40代になっているでしょうから、プロジェクトの立上げや会社経営に、もしチャンスがあれば積極的にチャレンジするように勧めています。
言い方を変えれば、サラリーマンからビジネスマンになるということですね。何となく働くのではなく、働いた内容に応じた給料をもらう。意識の持ちようで全然違ってくるのです。当社は常に新しいビジネスをやっていかないと伸びませんから、リスクがあっても、いつでも新しいことにチャレンジできるような環境づくりを心がけています。
海野:御社は2011年よりプロゴルファーの宮里美香さんとの所属契約を結ばれたり、注目のアイドルグループやアーティストなどを起用した広告を展開されたり、時代を先取りしているようにお見受けしますが、どのようにして決めていらっしゃるのでしょうか。
板東:まずはチャレンジ精神が旺盛な方々とパートナーを組みたいと常々思っています。PRには、未来志向で明るく、自分が成長し、向上するために頑張っている方を起用しています。
海野:以前「カリスマサラリーマン」という記事を拝見させていただいたことがあります。その中に「序破急」という言葉がありましたが、NTTグループの若い人たちに伝えたいことはございますか。
板東:物事のタイミングを捉えることは重要です。「序破急」というのは、すべての物事には始まり、ブレークする時期、ピークがあるということで、その意味では「ひかりTV」もそろそろピークを迎えますから、これから立ち上げて、伸びていくビジネスをいかに探すかということですね。
あと、私が苦しんでいる時に救われた言葉に「陰極まれば陽に転ず、陽極まれば陰に転ず」というものがあります。これは陰陽論の中に出てくるものですが、一度どん底にまで落ちてしまえば、後は這い上がるしかないという意味ですね。精神的に辛くても、どうやってそこから抜け出すかを常に考えることが大切だと思います。
海野:現在の御社の経営で、最も重要なITはどのような部分だと思われますか。
板東:当社は「付加価値をどこに付けるか」を発想の基本にしています。新しいサービスの機能追加や改善、プラットフォームの構築といった付加価値に直接つながるポイントをしっかり押さえた上で、アウトソースできる部分は積極的に進めていく方針です。
海野:現在は当社の勤怠管理システムをご利用いただいていますが、私どもはサブスクライバー(加入者)の管理を得意としていますので、共通項があればぜひお声がけいただければと思います。本日はありがとうございました。

社屋写真

CORPORATE PROFILE

名称
株式会社NTTぷらら
所在地
東京都豊島区東池袋 3-1-1 サンシャイン60 24階
設立
1995年12月18日
従業員数
401人
事業内容
電気通信事業(映像配信サービス、インターネット接続サービス、IP電話サービスなど)
ポスト

事例紹介

スマートフォン用リンク

エバンジェリストが語るICTの未来

スマートフォン用リンク

ページトップへ

トップへ