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筒井 清志 氏
1975年4月、日本電信電話公社(現NTT)入社。技術部調査員、ネットワークシステム開発センタ主幹技師などを務めたのち、99年、NTTファシリティーズ 事業推進本部総合サービス事業部長発部担当部長に。取締役経営企画部長、副社長などを経て2012年6月、社長就任。現在に至る。

「当社が開発した技術をNTTにもフィードバックしていきたいですね」

海野:御社もスタート時はNTTグループを中心とする国内の仕事が中心だったと思いますが、そこからグローバルに目を向けるようになったきっかけはどのようなことだったのでしょうか。
筒井:NTTグループでは中期経営戦略において「グローバル・クラウドサービス」の利益創出スピードを加速させることをかかげています。当社においても、それに追随した海外企業の買収が第一歩になったと思います。タイの会社だったのですが、それがきっかけになって社員の目が海外に向くようになりました。いまでは、アメリカやシンガポールに事業基盤をつくり、検討対象はヨーロッパにも広がっています。
海野:買収するのはどういう業種が多いのですか。
筒井:当社が持つ技術をその会社に導入できるかを重視しているので、運営保守系の会社などの同業種が多いですね。データセンター用スマート空調制御システム「Smart DASH」や最先端ICTを駆使した水冷式空調制御システム「SmartStream」などの当社の技術を伝えて営業してもらうわけです。

「NTTグループの一員として、御社のシステム面での安心・安全の実現をご支援します」

海野:最先端の技術を手にできるわけですから、買収された企業にも大きなメリットがありますね。技術開発という面では、新たに設立したイノベーションセンターに寄せられる期待も大きいのではないでしょうか。
筒井:2014年に江東区の隅田川沿いに実証実験型オフィス「NTTファシリティーズ新大橋ビル」を設立しました。今後はここを拠点にさまざまな新技術の実証実験を行なうだけでなく、他社とのコラボレーションにも積極的に取り組んでいきたいですね。これまでは研究施設が各地に分散しており、しかもオフィスビルなどに間借りしていたため、やりたい実験を自由にできないという問題がありました。当社の業務の性質上、空調環境や配線を変えて測定するといった実験も必要です。新しいオフィスによって、ますます新技術の開発が進むと期待しています。
海野:建物自体も「サステナブル建築賞」や「日経ニューオフィス賞」など、栄えある賞をいくつも受賞されています。
筒井:低コストでありながら耐震性や免震性などが評価されたのだと思います。また、自然通風や地中熱の利用、新開発の輻射空調システムの導入などにより普通のビルの40%ほどのエネルギーで稼働できるようにするなど、省エネにも配慮しました。使いやすさも特徴で、内部のレイアウト変更が容易にできる構造になっています。環境にやさしいとうたうからには、エネルギー消費が少ないだけでなく、建物の内装を作り直すときに出る廃材などにも気を配らなければなりません。そういう設計ができているビルということです。

NTTグループの施設管理で培った技術とノウハウを活用

海野:「効くFM(ファシリティマネジメント)」としてFMコンサルティングにも力を入れていらっしゃいます。どのような取り組みをされているのでしょうか。
筒井:土地や建物、設備などの業務用資産を中長期的な視点で適切に管理・活用していく手法が、ファシリティマネジメントです。全国に約1万8000棟あるNTTグループの施設を長年にわたり管理してきた技術、ノウハウを活かし、最適なファシリティーのあり方を実現すべく、コンサルティングから監視・オペレーションまで多様なサービスを提供しています。施設を多数保有する銀行など金融機関からの需要が多いですね。
海野:ノウハウとは、具体的にどのようなものなのでしょう。
筒井:一言で説明するのは難しいのですが、日々の点検や維持管理の結果をデータベースに蓄積し、設備の状態を細かくチェックして、空調ならいつくらいに修理が必要になるか、建物ならどのタイミングで手入れをしなければならないかなどを見きわめるわけです。今後はそうしたFMのノウハウに省エネの観点も導入していこうと思っています。FMと省エネの融合ですね。
海野:FMにはデータベースをはじめとするシステムの構築が不可欠ですが、特に重視されているシステム、あるいはこういうものが絶対必要、といったことはおありですか。
筒井:FMはもちろん、財務にしても営業にしても、すべてシステムとデータベースを活用しているので、どれも必要といえます。ただ、電建融合がずいぶん進んでいるとはいえ、独自システムも多く使っていて、事業部間のシステムがつながっていないのです。しかし、統合した大きな単一システムを作るのはコスト面を考えると現実的とはいえません。いずれは、それぞれのシステムを共通のプラットフォームでつなぐ必要はあると思っています。
海野:弊社では2015年に御社のデータセンターとクラウドなどの更改をやらせていただきました。バッチ処理が速くなったなどのご評価もいただいておりますが、ご感想やご要望がございましたらお聞かせください。
筒井:わが社も安心・安全を売っている会社ですので、これからも最新の優れたソフトウェア技術で、システム面での安心・安全を実現していただくことをお願いしたいですね。
海野:ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします。

[対談日:2016年4月14日]

社屋写真

CORPORATE PROFILE

名称
株式会社NTTファシリティーズ
所在地
東京都港区芝浦3-4-1 グランパークタワー
設立
1992年12月1日
従業員数
5,500人
事業内容
建築物・電力設備のコンサルティング、企画、設計、保守、維持管理など

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