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事例紹介:日本カーソリューションズ株式会社様
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オートリースビジネスを展開している日本カーソリューションズ株式会社(以下NCS)様では、日本全国約13,000の提携整備工場から送られてくる請求伝票を、1ヶ月に約10万件、処理しています。この膨大な請求伝票の確認業務を、NTTコムウェアとの協業によりAIを活用することで、迅速かつ正確な確認、整備工場への速やかな支払い、確認業務の生産性向上を実現させました。(*)

*AIを活用した請求伝票確認業務の自動化について、ビジネス関連発明として特許出願中です。

人の手では限界がある。AI導入によって課題解決ができないか

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溝内 光孝氏
日本カーソリューションズ株式会社
サービス管理部長

――「整備請求伝票の確認業務」について教えてください

溝内部長:NCSでは、北は北海道から南は沖縄まで全国にわたり、契約車両を整備していただくため、約13,000の整備工場と提携しております。整備工場において点検・車検整備・故障修理といった契約車両に関わる作業が発生すると、「NS 21(整備工場ネットワークシステム)」というインターネットを利用した請求登録システムでNCSに作業費用の請求情報が届きます。私たちサービス管理部では、協定した料金で請求が来ているかどうかをチェックする確認業務を行っているのですが、これまでは整備工場から届くすべての請求を目視点検し、「OKなもの」「エラーがあれば返却するもの」を手動で振り分けていました。

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島松 敬二氏
日本カーソリューションズ株式会社
経営企画部長

島松部長:NCSが管理をしている車両は70万台弱、その半分ほどが車両の整備を含む契約であり、本件の対象になります。月10万件、年間100万件以上もの請求を、熟練した担当者約20名がスピーディーに間違いのないようにチェックをしていくわけですが、管理する車両の台数が増加するに連れて、マンパワーで膨大な件数を処理するには限界が見えてきました。このような状況に対応するためにはどうしたらよいのか、例えば機械化等の導入を検討ができないかと思案しているところに、コムウェアさんからご提案をいただいた次第です。

溝内部長:確認業務に熟練したスタッフも、少しでも機械的にチェックができれば、業務が非常に楽になりますし、さらに担当者によってチェックの内容や質にバラつきが生じてしまうという個人差の部分も、標準化していくことができるのではないかという期待が持てました。

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大澤 孝太郎氏
日本カーソリューションズ株式会社
システム部
運用・開発第一チーム 次長

――今回導入したAIは、どのような仕組みになっていますか?

大澤次長:今回のプロジェクトの目的は、整備工場からの請求に対し、当社のサービス管理部が「いいですよ、間違ってますよ」と個々に返している部分を、AIに置き変える仕組みを作ることでした。具体的には、確認パターンを学習させたAIを、整備工場が使用する請求登録システムと連携させました。整備工場が作業費用情報を入力されると、AIが瞬時に「NG」と「OK」「グレー」の判定をおこない、「NG」の場合には整備工場にエラー内容が直ちに伝わります。それ以外の場合は基幹システムに送られ、判定が「OK」の請求は確認不要として支払いを承認し、「グレー」の請求は担当者が明細を確認します。当初は判定ができなかったとしても、今後パターン学習を継続的に行うので、AIによる代行範囲も拡大していきます。私たちはこのAIのことを「整備請求伝票の確認業務代行AI(以下、整備請求AI)」と呼んでいます。

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緻密なコミュニケーションと入念な準備で、共通のゴールをイメージする

――整備請求AIの開発にあたって、苦労された点などありますか?

溝内部長:コムウェアさんには、1週間に何度も何度も足を運んでいただきました。私たちの現場に来て、実際に請求のチェックをしている担当者と直接話をしてもらったり、「これはどうなんだろう」という課題に対してレスポンス良くご回答いただけたり。いつのまにか担当者と同じくらい当社の業務に詳しくなっていましたよね(笑)。電話やメールだけではなく、Face to Faceで対応していただいたことが非常に頼もしく、深い信頼関係を築くことができたポイントであったと感じています。

大澤次長:コムウェアさんには、事前にデータ分析とヒアリングを行っていただいた上で、企画書を作成いただきました。これが2017年の4月から9月のことです。その後年度末にかけて、技術検証(PoC)を実施していただきました。
既存システムとして、請求の内容を確認して支払いを承認する「基幹システム」と、「NS21(整備工場ネットワークシステム)」があります。この二つのシステム間でデータを連携しているのですが、そのどこにAIの機能を置くのが一番理想的なのかの答えを導くのに長い時間がかかりました。
また、これまでの属人化した確認業務をAIに学習させるプロセスや検証も難しいところでしたが、ある程度、事前の技術検証(PoC)で切り分けができたことで、システムをしっかり組み立てることができたと思っています。
業務ヒアリングをしていく中で、サービス管理部含めメンテナンスサービス部門や私たちシステム部の他、コムウェアさんにも入っていただいて、毎日毎日打ち合わせさせられたのは正直辛かったです(笑)。ただし、その結果として、今回のプロジェクトのゴールをここに置こう、ということをみんなで認識でき、そこに向かって進めることができたことが、プロジェクト成功の重要なポイントであり、よかったところだと思います。

――今回の開発手法となった「アジャイル型(ベース)」について詳しく教えてください

大澤次長:当社のこれまでの開発手法はウォーターフォール型が基本で、最初に要件をヒアリングして全体を設計します。大規模な開発に向いている手法ですが、途中で設計変更が発生した場合、やり直しの工数が多くなります。それに対してアジャイル型は、短期間で設計、実装、テストを繰り返す開発手法で、仕様変更が発生した場合でも柔軟に対応することができます。
月10万件の請求伝票の明細は、作業や製品価格を3,000以上のコードから選ぶのですが、多岐にわたる条件があるため、全く同じ請求はほぼ上がってきません。このような状況では、“仕様変更がある”ことを前提にしたアジャイル型の方が適していると判断して開発手法を決定しました。結果的には正解だったと思います。従来のウォーターフォール型では、開発したいと思っても本当にうまくいくかわからず踏み切れないこともありましたが、今回はよりリスクの少ない方法で開発を推進できたのではないかと考えています。

――関係システム(NTTコムウェア以外のベンダー)や、現場(整備工場や確認業務担当部署)と連携する中で、印象深い点などあればお聞かせください

大澤次長:整備請求AIシステム、基幹システム、整備工場ネットワークシステム、これらのシステムはそれぞれ開発ベンダーが異なります。システム部は限られた人数で運用しているため、コムウェアさんに残り2社とのコントロールも取ってほしいとお願いしました。当初は管理だけを依頼する予定でしたが、他社が管理するシステムのDB設計やシステム仕様もきちんと把握していただいたことで、課題やテストケースの洗い出しに加え、最終的にはシステム連携のためのインターフェース調整も主導して進めていただきました。コムウェアさんの統制力、行動力は、私たちの想像を超えており、とても信頼できるパートナーだなと感じました。

溝内部長:開発にあたり、整備請求AIで正しくチェックをかけるには、判断基準となるマスター類の整理をきちんと行わなければならない、という課題がありました。整備工場との協定金額、部品の金額、作業工賃の金額が入ったものなど、20以上ものマスターがあるのですが、これまでマスター値の妥当性を振り返って検証するという活動ができてなかったのが実情でした。開発を機に、私たちの部署だけではなく、整備工場と直接相対する担当部署のメンバーも含めて、マスター類の整理を同じ時期に進めました。コムウェアさんには、マスターの整理手段や進め方の検討から、最終的にマスターを正しくセットするところまで、サービス部門のタスクを含めて一緒に対応していただきました。

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請求伝票確認作業の約60%が自動化された

――2019年2月17日にサービスを開始され、実際にどのような効果がありましたか?

溝内部長:整備請求AIのチェックに通った請求情報のうち、OK判定となったおよそ60%は目視点検を行う必要がなくなり、グレー判定が出た残り40%に担当者が注力できるようになりました。人の目でのチェックでは、どうしても担当者間の差や、過去の確認内容とのバラつきが出ることはやむを得ないですが、整備請求AIにより、均質であまねく公平なジャッジができるようになったことも、非常によかったです。今回、整備工場に返すメッセージについても、コムウェアさんの協力でわかりやすいメッセージにすることができました。また働き方改革という視点では、スタッフが余裕をもって仕事ができるようになっています。今後においても、より働きやすい環境を築いていけるのではないかと期待しています。

――AIの導入に対して、整備工場からの反応はいかがでしたか?

溝内部長:サービス開始直後から1ヶ月くらいは、「どうしてこんなに(チェックが)厳しくなったんだ」というような声がありましたが、そういった反応もだんだんと少なくなりました。例えば、協定料金と違う数値を入力してしまうと、「違いますよ」というメッセージをその場ですぐに返してくれるのでありがたい等の声も聞かれるようになりました。このように、AI導入のメリットを整備工場の方にも徐々に感じていただいているのだと思います。今後も弊社の重要なパートナーである整備工場側の視点に立ち、より工場が使いやすいシステムにするにはどうしたら良いか?についても、追求していきたいと考えています。

――整備請求AIの活用による、副次的な効果などはありましたか?

島松部長:今までデータ化できていなかったことが可視化されて、より明確に課題が分かってきました。今後の業務運営に活用されることを期待します。

溝内部長:これまでは膨大な過去の整備データを次のステップに活かそうという余裕がありませんでした。AIを通じて分析すると、従来は気づけなかったおもしろいデータ傾向の把握も可能になると期待しており、業務の改善に活用していこうと考えています。

課題解決、それは新たな価値を創造する

――このプロジェクトは、NCS様に何をもたらしましたか?

島松部長:プロジェクトの価値ということにおいては三つあります。一つはもちろん課題を解決できたことです。整備工場とのリレーション強化、AIによる網羅的かつ迅速なチェック、及び、チェック品質の標準化などのサービスレベルが向上しました。あわせて、業務量が増えている中で働き方改革もしなくてはいけないという課題に対し、省力化も実現できました。私たちが今、経営計画の中で標榜しているのは「ダントツのクオリティで新時代のオートサービスをリードする」です。この“ダントツのクオリティ”の下支えになるためのサービスという意味で非常に価値があるものだと考えています。
二つ目は、この革新的、先進的な取り組みを行ったことで、企業イメージが向上したということです。社員としてもそこは晴れがましい部分がありますし、そういう会社だと思ってもらえるのは貴重なことです。私たちの親会社である東京センチュリー株式会社ではグループ全体のシステムに関する取り組みとして、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定している「攻めの IT経営銘柄2019」の事例として本件を採用しました。結果的に非常に高い評価を受け、5年連続の選定の一助になったと考えます。
もう一つは、人手でやっていた業務を機械化できた、システム化できたという成功体験が得られたことです。この意識があることで、他の業務でもいろいろなことができるのではないか、という発想を生むことができると考えており、今後の企業活動として価値があるものと考えます。

――今後の展望についてもお聞かせください

島松部長:まずは直接的に期待することとして、整備請求AIの高度化でサービスレベルをより一層上げていく、使い勝手を良くしていくということがあります。他の既存の業務についても、AIを使う/使わないにかかわらず、機械化・システム化して、品質の向上や働き方改革といった側面で効果が出ることを検討していきたいと考えます。

いま求められるビジネスパートナー像とは

――最後にNTTコムウェアに対し、ビジネスパートナーとしての現在の印象と今後の期待を教えてください

溝内部長:非常に信頼がおける会社です。この整備請求AI以外にも、例えばこういう視点で考えてみてはどうかとか、さまざまなアイディアをいただきました。今後もいろいろな知恵をいただければ、非常にありがたいと思っています。

大澤次長:ベンダーはプロダクトアウト的に接してくるケースが多いですが、コムウェアさんは私たちの目線で接してくれることがすぐにわかりました。スケジュールの遅延も本当にありませんでした。AIに関してはバグらしいバグもなく、精度の高い開発をしていただき、とても優秀なベンダーだと感じています。他のシステムは長期間利用していることから、まだたくさんの課題を抱えている状態ですので、これからも協力していただきたいと切実に思うところです。

島松部長:弊社ビジネスの理解者として、今後も先進的な発想でご提案を継続していただけることを期待しています。

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担当者の声

整備請求AIの導入における成功のポイントは、業務部門の皆さまと開発メンバーの密なコミュニケーションにあったと思います。業務がご多忙の中、プロジェクトへ積極的に参画してくださったNCSの皆さまに感謝申し上げます。今後も開発で得た知見を活かし、ビジネスパートナーとして、NCS様の発展に寄与する提案を続けていきたいと存じます。

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NTTコムウェア株式会社
エンタープライズビジネス事業本部
スペシャリスト 松下 行(写真左)
スペシャリスト 鈴木 敦(写真右)

2019/8/1

お客さまプロフィール

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名称

 
日本カーソリューションズ株式会社
(略称 NCS)
本社所在地

 
東京都千代田区外神田4丁目14番1号
秋葉原UDX
創立
1987(昭和62)年2月20日
事業概要

 
各種自動車のリース業務、各種自動車のメンテナンス受託業務、損害保険代理業
公式サイト
https://www.ncsol.co.jp/

  • 所属部署、役職等については、取材当時のものです。

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