ここ数年、NTTファイナンス様では、航空機などを対象とした日本型オペレーティングリース事業(以下JOL事業)の拡大に伴い、JOL事業を運営する特別目的会社(以下SPC)や匿名組合(以下組合)の膨大な決算業務に頭を悩まされていました。そこで、NTTコムウェアが提案した統合ERPパッケージ『GRANDIT』の導入により、伝票起票・決算から税務申告・納税まで一連の業務や、それらの期日管理のシステム化を通じて、業務の標準化・効率化による大幅な稼働削減と業務管理の品質向上に結びつけることができました。その結果、恒常化していた残業がほぼなくなり、働き方改革の推進にもつながったと感謝のお言葉をいただきました。
導入効果 1
- 伝票起票から決算書作成、納税に至る一連の業務を標準化・システム化し、大幅な業務効率化を後押し
導入効果 2
- 並行する多数案件の作業期日や進捗を「見える化」することで、業務管理の品質を向上
導入効果 3
- 税務申告・納税業務のシステム化により残業がなくなり、働き方改革のさきがけに
NTTファイナンス様は、NTT民営化後の第一号企業として1985年4月に設立され、NTTグループにおける金融中核会社として、リースや割賦に加えて、融資、クレジットカード、ビリングなどの事業を展開しています。その中でもグローバル事業部様が担当するJOL事業は、航空機などのオペレーティングリース取引を組成し、投資家へ金融商品として販売する事業ですが、ここ数年マーケットが拡大し、大幅に事業が伸びており、事務処理に課題を抱えていらっしゃいました。
JOL事業が拡大する中、いち早くシステム化を決断
林 真二郎氏
NTTファイナンス株式会社
グローバル事業部
国際業務部門
担当課長
「JOLの事業内容は多岐にわたります。当時は、手作業で実施していた膨大な業務をいかに効率化するかが一番の課題でした。
JOL事業を行うためには、リース案件ごとに組合とその組合を運営するSPCを設立します。SPCはリース期間(約10年)にわたって事業に関わる入出金管理を行いSPC決算書を作成しますが、組合として出資いただいている投資家の皆様へも決算期が到来する都度、組合決算書を作成し送付する必要があり、その運営には非常に多くの作業をこなす必要があります。
システム導入前は、これらの運営業務をすべて表計算ソフトを駆使して手作業で行っていましたが、その事務処理量は膨大で、常に業務繁忙の状態でした。既に管理しているSPC、組合が各々何十社とある中、年々案件が大幅に増加しており、従来の人手に依存した方法ではいずれ立ちいかなくなると判断し、思い切ってシステム化に踏み切りました」とグローバル事業部 国際業務部門 担当課長の林 真二郎様は当時の導入経緯を振り返っています。
「手作業だった業務は『GRANDIT』の標準業務フローや機能を参考に見直しが図られ、システム導入後は、伝票起票から決算書作成、納税までが一連の業務として統合・標準化され、ミスもなくなり大幅な業務効率化が達成できました」と、林様はその効果を実感されていました。
案件毎の作業期日や進捗の「見える化」により、業務管理の品質が向上
「異なった決算期の何十にも及ぶSPC、組合の運営業務をどう管理していくかも課題でした。決算や税務処理は毎月必ず発生することになりますが、正確性が求められるこれらの業務が集中する時期は特に繁忙を極めます。
SPCの税務申告・納税業務は法律上期日が定められているため、法令遵守の観点からも期日までに業務を完遂するための厳格な管理が必要となります」と林様は期日管理の重要性を強調します。
「以前は、担当者が表計算ソフトへSPCごとの作業期日を入力し、その期日を確認しながら業務を進めていました。進捗状況の把握も上長が日々担当者に口頭で確認するといった効率的とはいえない方法でした。
システム化を通して、SPCごとの作業期日や進捗状況の把握を容易に共有することができるようになり、業務管理の品質を向上させることができました。
また早い段階で進捗の遅れや手続きのミスなどにも気付くことができ、SPCごとの期日を確実に管理しながら業務を遂行できるようになりました」(林様)